米国を筆頭に世界的なインフレ圧力が高まるなか、24年ぶりのドル円水準や、日用品の値上げ等が世間を騒がせています。こうした投資環境について、プロトレーダーはどのようなスタンスでいるのでしょうか。株式会社ソーシャルインベストメントの川合一啓氏が解説します。
円安に「喜ぶ人」と「不安になる人」…プロトレーダーはどちらか【投資のプロが解説】 ※画像はイメージです/PIXTA

マスコミ報道の一方で…「円安・物価高」に微笑む人たち

2022年9月現在、円安や物価高に関するニュースが日々多く流れています。いまもなお続くコロナ禍や、ロシアによるウクライナ侵攻などの影響もあるのでしょう。

 

これらは当然、日ごろの買い物や海外製品の購入においては日本国民全体に不利益となりますが、「円安や物価高を歓迎する人たちもいる」ということをご存知でしょうか?

 

まず、輸出業者は円安を歓迎します。円安ならば同じ商品が輸出先で安く売れ、価格競争力が増すからです。

 

また、大きなシェアや強いブランド力などを有し、物価が上昇してもそれを価格に転嫁できる商品を売っている会社は、物価高を歓迎するかもしれません。それができないライバルたちとの差を広げるチャンスになるからです。

 

そもそも、ある時期までの日本は、物価上昇に伴い給料も上がり続けていました。長期的にみればそちらの方が自然です。特に借金のある個人や企業は、物価と給料が上がれば借金の重みが小さくなっていきますから、再びその流れが訪れるのを待ち望んでいる人たちもいるのではないでしょうか(物価とともにこれから給料も上がればよいですね)。

 

株安こそ「買うチャンス」

また、物価上昇に対処するための米国の利上げが原因なのでしょうか、いまは米国株も日本株も安い傾向になっています。これもマスコミは問題視しているようですが、実は歓迎している人がいます。それは、冷静で賢明な投資家たちです。

 

株価が安くなりみんなが不安に思っているときこそ、買うチャンスなのです。普段割高で手が出ないような個別株も、そういうときこそ買っても安全な株価になっています。

 

安く買って高く売るからこそ、利益が出るのです。

 

冷静で賢明な投資家は、株高でみんなが浮かれているときに買わないで売るなどして現金を作り、株安でみんなが不安に思っているときにこそ買って、値上がりを待つのです。皆さんにも、ぜひそんな投資家を目指していただきたいと思います。