投資対象の一種として定着しつつある暗号資産。流動性が高く売買も容易である点は、株も暗号資産も同じです。しかし、株式会社ソーシャルインベストメントの川合一啓氏は、「暗号資産は投資対象としておすすめできない」といいます。その理由について、詳しくみていきましょう。
プロの投資家が「暗号資産への投資」を絶対にススメないワケ ※画像はイメージです/PIXTA

暗号資産に「国家保証」はない

円やドルなど、その国の法定通貨には国家のお墨付きがあります。「我が国ではこれを通貨として流通させるので、あらゆる決済をこれで済ませましょう」という国の意思と保証があるわけです。

 

ところが、暗号資産にそれはありません。

 

たしかに暗号資産流通を支える「ブロックチェーン」という技術には有益性があるかもしれませんし、国境を越えた世界共通の通貨を目指すことは素晴らしいですが、現時点での暗号資産は、インターネット上で売買されている「情報」にすぎません。現実世界で買い物をしようとしても、決済に使えるものではないのです。

 

もし暗号資産市場に参加している全員が、「これは普段買い物に使えないから、通貨じゃないよね?」と考えて売り始めたら、いったいその価格はどうなってしまうでしょうか。

 

暗号資産にはまず、そんな危うさがあります。

 

株、不動産、農場…資産になるものはどれも「価値がある」

一方、他の資産を考えてみましょう。

 

土地や建物はそれを利用することができますし、人に貸して賃料を得ることもできます。農場も、作物を生産します。

 

また株式の場合は、その会社が利益を出せば、株主も配当などの恩恵を受けることができます。基本的に大きな会社は時価総額も大きくなるため、その会社の成長にしたがって株価も上がっていきます。そもそも株式とはその会社の所有権の一部ですから、株を多く買い占めれば、その会社の経営に関与することも可能になってきます。

 

このように、どんな資産も、それ自体に価値があるからこそ、それ相応の価格がつくのです。そして市場がそれに安値をつけているときに買い、高値をつけているときに売ることで、売却益を得ることができるわけです。

 

そのなかでも株式は、投資対象としておすすめな資産です。現物資産ほどまとまったお金も要りませんし、流動性が高く売買も容易にできます。

 

ファンダメンタルズ分析をすることで、株価の妥当性というのもある程度計算することができますし、そのうえ、会社の成長や投資家の期待の集中などで大きな値上がりを見せることもあります。

 

株式に投資をするのは、やはりとてもいい方法なのではないでしょうか。