(※写真はイメージです/PIXTA)

インターネットは手軽になんでも調べられる、いまやなくてはならない情報源です。しかし手軽な反面、間違った情報が多くあるのも事実。特に髪の毛・薄毛関係の情報については、悩みにつけこんで金儲けをたくらむ悪徳業者も少なくなく、正しい情報を見極める必要があります。今回は、東京メモリアルクリニック院長の栁澤正之先生が、薄毛治療にまつわる「ウワサの真相」を解明します。

混同に注意…「治療薬」には“体毛が濃くなる”効果なし

AGA治療薬の効果は「AGAの原因(DHT)を阻害することで、AGA(薄毛)が治る」というものです。

 

AGAで薄毛になっていない体毛には、フィナステリド、デュタステリド共に作用しません。髪の毛治療で体毛が濃くなることを心配している方も多いと聞きますが、まったく心配無用です。

 

ただし、AGA根本治療薬ではない「ミノキシジル」については単純に毛を太くする薬ですので、塗り薬(外用薬)であっても薬の作用としては全身の毛が太くなるはずです。

 

もちろん塗っていない部分の作用は軽微なので気づかない程度でしょうが、ミノキシジルを体毛に塗ったり、いっそ承認外治療ですが内服したりすると当然体毛は濃くなります。先述したAGA根本治療薬の作用と混同しないようご注意ください。

 

「抱き合わせ商法」に注意

「フィナステリド、デュタステリドは進行を止めるだけだから、他の治療も一緒にしないと髪は増えませんよ」といった文言は、完全な「抱き合わせ商法」です。

 

フィナステリド、デュタステリドだけでもAGA進行早期であれば十分に改善しますが、やはり進行の程度次第では20歳状態に戻らないこともあり得ます。その場合には、他の効果のある治療を追加することもできますが、あくまで患者さん自身の選択肢にすぎません。

 

そもそも髪の毛は命にかかわらないので、「生きるために絶対に治療しなければならない」ということはありません。

 

スキンヘッドにする覚悟のある方や、薄毛をアイデンティティとする俳優さんや芸人さんたちにとっては、AGA治療は必要ないのです。

 

しかし、薄毛を本気で悩んでいる方々は、いまや明確な医学的治療が確立していますのでAGA治療で明確に改善することが可能です。インターネットの間違った情報に騙されないよう、適切な情報を手に入れたうえで適切な治療を受けることをおすすめします。

 

 

栁澤 正之

東京メモリアルクリニック

院長

 

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