親の介護で泣く泣く転職・引っ越し…避けられぬ収入減
介護については「まだ先の話」「若い自分たちにはまだ関係ない」と思っている人も多いと思います。しかし、親の介護はそう遠くない未来にやってきます。
75歳前後から介護が必要になってくるため※、つまり子どもはおおよそ40代で親の介護を迎えることになります。
※ 令和2年度 介護給付費等実態統計の概況より
購入後すぐに親の介護がやってきたとしても、介護施設に受け入れてもらえれば問題は解決します。しかし地域によってはそもそも介護施設に空きがなかったり、施設に支払う費用を捻出できず在宅介護となるケースもあるようです。
在宅介護の場合、誰が親の面倒をみるのでしょうか。親が近くに住んでいればまだいいですが、遠方に住んでいたらどうでしょうか。また介護は病気と異なり完治が考えにくく、長期間にわたって面倒をみなければなりません。
このようなことから、泣く泣く転職や引っ越しをして介護にあたるケースが多く、こういった状況では転職前と同じ高収入を維持することは難しいでしょう。
収入が減少したなかでさらに介護費用を捻出し、住んでいないタワマンのローンを払い続けることができるでしょうか。
また、介護の先にあるのが相続です。実家や土地をどうするのか、兄弟姉妹がいる場合は誰がなにを相続するのか、納税資金はどうするのかなど、相続も含めて早めに家族全員で介護の問題について話し合っておくのが大切です。
まとめ
このように、タワマンを購入する前に考えておきたいことはたくさんあります。
高層階からの眺め、設備の充実さや豪華さ、利便性が良いなどタワマンの魅力には限りがありませんが、立地や内装だけで物件を選ぶのではなく、購入後のキャッシュフローや将来起こりうるリスクなど、しっかりとライフプランを立てたうえで購入を検討すると、より安心なマイホーム生活が送れるのではないでしょうか。
橋本 徹
FP Office
ファイナンシャルプランナー