夫婦で借入れ、念願のタワマン購入も…環境の変化で返済困難に
住宅購入時にはローンを組む方が大多数です。タワマンの場合、一般的に物件価格が高いため世帯主の年収のみでは審査が通らず、ペアローン・連帯債務・連帯保証などで夫婦の所得を合算し、夫婦2人でローンを組む例が多くみられます。
これで念願のタワマンを購入ということになりますが、お子さまの誕生に伴い産休・育休を取得し、子育てに集中したいのが親心。それにより収入が下がってしまい(標準報酬月額の50%~67%※1)、ローンの返済が厳しくなります。さらにお子様を保育園に預けたとしても、自治体によっては2歳まで※2は毎月6万円以上の保育料が必要になる場合もあります※3。
※1 全国健康保険協会参照
※2 無償化は3歳から(内閣府HPより)
※3 世帯年収や自治体、保育施設の種類により異なります。
なかには保育園に預けることもできず、仕事を辞めざるを得ないケースもあります。タワマンを購入したい場合、事前に近くの保育園の状況(定員・預けられる時間など)を調べておくといいでしょう。
タワマン購入後、パートナーが不倫…ローン返済が泥沼化
憧れのタワマンを購入する際、将来の不安要素まで考慮に入れて購入を決める方はあまり多くないでしょう。一方で日本人の離婚年齢は30代が一番多く※、住宅購入年齢とほぼ重なります。また、男女ともに離婚原因の上位にあるのが異性関係です。離婚原因が異性関係となれば、揉めごとは避けられません。
※ 厚生労働書HPより
仮に前述のペアローンや連帯債務でタワマンを購入し離婚してしまった場合、ローンの返済はどうなるのでしょうか?
返済方法としては以下の5つが考えられますが、いずれもデメリットを覚悟しなければなりません。
①住宅ローンの借り換え
どちらかが住み続ける場合、そのまま住み続ける側が新たにローンを組み直す必要があります。問題は購入後短期間で離婚した場合、年収が大幅に上昇していることも考えにくく、1人でローンを組むのが現実的に難しい点です。
②代わりの連帯保証人を連れてくる
金融機関が了承してくれる人物でないと厳しく、配偶者以外に連帯保証を頼める人が簡単には見つからないという問題があります。
③新たな担保を提供する
金融機関が了承できる担保でないと厳しく、離婚時には財産分与の問題もあるため、担保提供の前に解決すべき問題が山積している可能性があります。
④連帯債務者として継続する
離婚後も共同債務者として関係が継続し、仮に片方の返済分が滞ってしまった場合、他方が全面的に返済することになります。また、金融機関が離婚した相手を連帯債務者として認めてくれるか、という点も問題です。
⑤売却
タワマンに住むのを諦めて現金化し、残った財産を分割するという方法です。
ローンをお互いに保証しあっている以上、売却して現金化する例が多いのも頷けます。しかし、ローン残高より高値で売却できればいいですが、そうでない場合はローンが残ってしまう可能性があります。
こういったケースの場合、ゆっくりと時間をかけて売却することが難しく、急ぐあまりに足元を見られて相場より安値で買われてしまうリスクもあります。
いずれにしても異性関係には気をつけたいものですね。