さまざまな情報や意見を持った投資家が多数参加することで市場が効率的に価格をつけるため、「株価は常に正しい」とする考え方を、「効率的市場仮説」といいます。しかしこの考え方はあくまで仮説でしかなく、バブルや暴落などの例外が存在することも理解しておくべきであると、株式会社ソーシャルインベストメントの川合一啓氏はいいます。効率的市場仮説について詳しくみていきましょう。
株価が常に正しいとは限らない!市場の「ミス」を見抜く投資術【投資のプロが解説】 ※画像はイメージです/PIXTA

単純に考えず「株価の誤り」を見つける努力を

そう考えると、気をつけておくべきことは、効率的市場仮説のある程度の正しさを認めつつも、それに当てはまらない銘柄を探す努力を惜しまないことではないでしょうか。

 

市場はある程度効率的であるため、「よい会社が高く、悪い会社が安い」という傾向は確かにあります。しかしそれでも、高すぎる場合や、安すぎる場合というのもあり、そんな株価の誤りを見つけ出すことで、投資家はちゃんと利益を出すことができるはずです。

 

「ここはよい会社だから高くても当たり前、もっと上がるから買おう」などと単純に考えてはいけません。その株価では高すぎるかもしれないからです。

 

また、「ここは文句なく安いから、買おう」などとも単純に考えてはいけません。安いのには何か理由があり、さらに値を下げる可能性もあるからです。

 

逆に、その会社の実体を十分に見極めつつ、「それにしては安い」という株価の誤りを見つけることが、ある程度効率的な市場のなかで、投資家が利益を出すための道なのではないでしょうか。

効率的市場仮説を認めつつ「株価の誤り」を見つけ出す

大雑把に、「よい会社は高くなり、悪い会社は安くなる」といえそうです。だから「市場は効率的であり、株価は常に正しい」という効率的市場仮説は、ある程度正しいのかもしれません。

 

しかし、バブルや暴落、長期的に利益を出し続ける投資家の存在など、効率的市場仮説が当てはまらないケースもあります。

 

その会社の実体を十分に見極めつつ、「それにしては安い」という株価の誤りを見つけることが、ある程度効率的な市場のなかで、投資家が利益を出すための道なのではないでしょうか。

 

 

株式会社ソーシャルインベストメント 取締役CTO

川合 一啓