「株式トレードで大きく成功している人」と聞くと、短い期間で投資額の何倍も稼ぐ「派手な取引をしている人」を想像するかもしれません。しかし、成功しているプロの株式トレーダーは、実は「日々単純で地味なトレードを積み重ねている」と、株式会社ソーシャルインベストメントの川合一啓氏はいいます。今回は、初心者とプロトレーダーとの違いとともに、安定して稼ぐトレーダーになるコツについて、川合氏が解説します。
すぐにマネできる!プロトレーダーの「単純明快な」取引手法【投資のプロが解説】 ※画像はイメージです/PIXTA

プロトレーダーと初心者トレーダーの大きな違い

SNSやネットで「月利300%」や「1万円が〇〇〇万円に!」という内容の記事を見かけたことはありませんか? 

 

たしかに自分の手元の資金が数ヵ月で何十倍に増えることは誰であっても嬉しいはずです。

 

しかし、トレードの世界においてリスクとリワードは表裏一体です。手元の資金が短期間で数倍になるのであれば、数ヵ月で元手が10分の1になる可能性も秘めているのです。

 

このように、夢のような宣伝はときに投資初心者の投資マインドを間違った方向に導いてしまいます。ひとたび数倍、または数十分の一になるリスクを正しく把握できている人のみ、プロの株式トレーダーとしての道が拓けるのです。

 

また、プロトレーダーと初心者トレーダーの大きな違いは、「自分がどれだけのリスクを取れるか理解している」かどうかです。数日で何倍にも資産を増やす派手なトレードに憧れる初心者トレーダーは、お世辞にも自分のリスク許容度を理解しているとはいえません。

 

取るべきリスクを管理できていないと、積み上げてきた利益を1日でなくしてしまう可能性があるのです。

 

さらに、自分のリスク許容度を超えるトレードをしているときは、損切りの判断も鈍っているため、株式投資の世界で生き残る可能性を大きく低下させてしまいます。

単純明快なプロトレーダーの手法

リスクに伴うメンタルのコントロールができていないトレード初心者に対して、プロトレーダーの行動は極めて単純明快です。プロトレーダーは、これ以上株を持つと正常な判断ができなくなるラインを熟知しているため、むやみやたらにリスクを取ろうとしません。

 

新規エントリーの基準や損切りの条件を事前に決めているプロトレーダーは、複雑なトレードを嫌います。

 

彼らは常にシンプルなルールに則り、株式投資を行っています。シナリオに対する何個かの選択肢を当てはめるだけのトレードはメンタルの負荷が小さく、冷静な判断をする確率を大きく上げます。

 

その結果、自分のキャパシティをオーバーして狼狽する初心者トレーダーとは異なり、市場全体が大きく動くときでも冷静な判断を下すことができるのです。

 

トレード初心者はプロのトレーダーが何か難しい分析方法を用いて莫大な利益を得ていると勘違いする傾向があります。しかし、実際は大きな利益を得ているプロの投資家であればあるほど投資の手法が単純明快なものになっているのです。

 

この事実を知らない投資初心者が多いため、株式投資で安定した利益を稼ぐことは難しいという風潮が蔓延っているのでしょう。