100万円の自己資金があったらすべて取引に使ってしまっていませんか? 初心者の多くが陥るこの行動は、取引の幅が広がる一方で、自己管理を怠ると資金を大きく減らすリスクも高めてしまいます。信用取引で成功する人は、常にためらいなく損切りができる額で取引していると、株式会社ソーシャルインベストメントの川合一啓氏はいいます。本記事では、「勝てる建玉」で心に余裕を持ってトレードをする方法について詳しくみていきましょう。
100万円の自己資金…株式投資が「ヘタな人」の使い方【投資のプロが解説】 ※画像はイメージです/PIXTA

「持てる建玉」とは?

まず「持てる建玉」を解説します。「持てる建玉」とは自分の資産で取得できる株式の最大値のことです。100万円の自己資金があるとしたら100万円分の建玉がその人の持てる建玉になります。レバレッジ取引を利用する場合はさらに大きな建玉を持つことができます。

 

長期的に収益を上げることのできない初心者トレーダーの多くは、毎回持てる建玉いっぱいに取引しようとします。しかし、トレードで大切なことは取引の状況によって自己資金を正確に管理することです。

 

プロのトレーダーは取引のたびに株数を調整して、相場の動きに合わせた取引をします。持てる建玉いっぱいに取引することはほぼありません。この違いが初心者トレーダーとプロのトレーダーに収益差という格差を付けているといっても過言ではないでしょう。

「勝てる建玉」とは?

次に「勝てる建玉」を解説します。「勝てる建玉」とは自己資金管理とメンタル管理を徹底したうえで、背負える最大限のリスクで取得した株式の数です。簡単にいうと最大効率で資金を回せる建玉ということです。

 

勝てる建玉は自己資金管理能力とメンタル管理能力の2つから成り立っています。

 

1つ目の自己資金管理能力とは、自分がどれくらいのリスクを取れるか理解することです。自己資金管理が上手い人は、たとえ損切りするようなことがあったとしても、次の取引で同じ数量の株式を取れるような取引をします。

 

逆に100万円の自己資金で1回の損切りで50万円の損を出してしまうような人は自己資金管理能力が高いとはいえないでしょう。

 

2つ目のメンタル管理能力とは、取引中に自分が正常な判断ができる状態を維持する能力のことです。株式トレードにおいてメンタル管理は非常に大切な要素です。精神的に安定していない人が株式トレードの世界で安定して勝つようなことはまずありません。

 

メンタル管理能力が高い人は自分の予想と逆に相場が動いたときに、躊躇せず損切りができる人です。ダラダラと含み損を持ち続けるトレーダーはメンタル管理能力が高いとはいえません。

 

「勝てる建玉」を持つコツは自分が躊躇なく損切りできる数量を把握し、たとえ損切りしても次のトレードで同じ数量の株式を持てる建玉にすることです。

 

プロのトレードは1回1回のトレードを独立したものと捉えていて、前のトレードを引きずることはありません。