認知症を予防するには、どうすればよいのでしょうか? 認知症にはさまざまなタイプがありますが、本稿では、患者の割合が多い「アルツハイマー病型認知症」「血管性認知症」「レビー小体型認知症」を取り上げます。認知症のタイプ別に、発症リスクを上げてしまう行動や習慣、予防につながる生活習慣を見ていきましょう。医療法人いくしま医院院長・幾嶋泰郎医師が解説します。
パーキンソン病との類似点も…「レビー小体型認知症」
■レム睡眠行動障害や、夜間頻尿、便秘などは危険因子かもしれない
危険因子として考えられているのは、不安障害歴・うつ病・ストローク歴・低いカフェイン摂取などです。また、レビー小体型認知症とパーキンソン病の危険因子はかなり重なっていると考えられています。
パーキンソン病の危険因子として挙げられるのは、夢の中と同じ行動をとってしまうレム睡眠行動障害や、夜間頻尿、便秘などの自律神経障害、嗅覚の低下、昼間の過度な睡眠などですが、最近ではレビー小体型認知症においても、レム睡眠行動障害や嗅覚の低下、便秘などを危険因子として加えていく必要性があるのではないかと考えられています。
また、まじめで几帳面な性格もある程度関係があると考えられます。夜中に何度も覚醒する中途覚醒は不安があるときに出現しやすく、これは、精神的な安寧が何かに障害されている証拠だと思われます。心配する必要のないこととわかっているのに気にかかってしまうのであれば、カウンセリングなどを受けましょう。
幾嶋 泰郎
医療法人いくしま医院 院長
医療法人いくしま医院 院長
1955年生まれ。
1980年:川崎医科大学を卒業、母校の外科で2年間の研修。
福岡大学産婦人科で研修。
久留米大学産婦人科で病気発覚。
第一生命保険会社で診査医をしながら学位を取得。
1999年:父の診療所を継承し福岡県柳川市で無床診療所「医療法人いくしま医院」開業。
現在理事長。デイサービス、グループホーム、小規模多機能施設、住宅型有料老人ホームを、スタッフに支えられながら運営。
開業後に漢方に目覚め、柳川漢方研究会(現在、漢方やながわ宿<やど>)を立ち上げ、初心者の育成と自身の研鑚に努めている。
福岡医師漢方研究会所属。趣味は風水と手相。自ら球脊髄性筋萎縮という難病を背負い、60歳直前で両足を骨折し、車椅子で診療を続けている。
YouTube「漢方jp」チャンネルに出演中。
<所属学会>
日本東洋医学会
日本婦人科腫瘍学会
日本産婦人科学会
日本更年期医学会
<著書>
『漢方薬と精神分析』(2021年、たにぐち書店)
【⇒医療法人いくしま医院HP】
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