日本人の給与はあがっていない……よく聞くフレーズですが、世界の国と比較すると、そんな現状がさらに悲惨であることが浮き彫りになってきます。みていきましょう。
平均年収433万円…振り向けば「韓国」が迫る「サラリーマンの給与」悲惨な手取り額 (※写真はイメージです/PIXTA)

手取り額はもっと減っている!?日本のサラリーマン、残酷な実情

これらの金額は、すべて給与からの天引き前のもの。サラリーマンの給与から天引きされるのは、リタイア後を見据えた「厚生年金」、失業した時に再就職の支援を受けるための「雇用保険」、病気や怪我などをしたときのための「健康保険」、さらに「所得税」「住民税」といった税金、そして40歳になると支払いが始まる「介護保険」といった、大きく6項目です。

 

ただ高齢化が進む日本において、税金やら保険料やら、さまざまなものが増額の一途を辿っています。

 

協会けんぽ(政府管掌健康保険)の健康保険料率の推移をみていくと、2003年8.20%だったものが、2012年には10.00%となり、現在に至ります。また2000年に0.60%だった介護保険料は、2022年度は1.64%と大きく増えました。

 

また税金の増額も。消費税は1997年4月に3%から5%になったあと、2014年4月から8%に、2019年10月からは10%(軽減税率対象物は8%)に増税されました。総務省家計調査によると、勤務先収入に対する消費支出の割合は、2002年17.2%だったのが、2021年には18.9%に。徐々にではあるものの、私たちの負担は大きくなり、その分、手取りは減り、消費にまわせるお金は少なくなっているのです。

 

前述の国税庁の調査によると、日本のサラリーマンの平均月収は37万4,500円。手取りにすると27万~29万円ほどになり、およそ8万〜10万円ほど天引きされるというのが平均です。その天引き額は徐々にではありますが、確実に増えていっています。

 

さらに昨今の値上げラッシュ。政府は賃金アップを重要施策にあげているものの、その効果が賃金に反映されるようになるまでタイムラグがあるでしょう。

 

このジリ貧から脱却するために「貯蓄から投資へ」というスローガンがパッと頭に浮かびますが、ギリギリいっぱいの生活をしている人にとっては、あまりに非現実的な話です。

 

できることといえば、「副業OKなら副業を始めてみる」「無駄な保険はないか? 通信料は圧縮できないか? 家計を見直してみる」、さらには「大人のこづかいを下げる」といったところでしょうか。血がにじむような努力を覚悟しなければならないようです。