日本人の給与はあがっていない……よく聞くフレーズですが、世界の国と比較すると、そんな現状がさらに悲惨であることが浮き彫りになってきます。みていきましょう。
平均年収433万円…振り向けば「韓国」が迫る「サラリーマンの給与」悲惨な手取り額 (※写真はイメージです/PIXTA)

こんなに給与があがらない国は世界でも珍しい

国税庁『令和2年民間給与実態統計調査』によると、会社員(1年勤続者)の平均給与は433万1,000円。男女別にみていくと、男性は532万2,000円、女性は292万6,000円でした。また正社員に限ると、平均515万2,000円。男性だと561万1,000円、女性では382万8,000円です。

 

最近、安倍晋三元首相襲撃事件を機に、改めてアベノミクスの功績について議論されていますが、そのひとつをあげるとするなら、平均給与の上昇があげられるかもしれません。

 

同調査で日本のサラリーマンの平均給与の推移を見てみると、「給与は毎年あがる」という常識が覆ったのがバブル崩壊後の1993年。その後、4年連続で給与総額は前年比プラスを記録するも、不良債権問題が本格化し、潰れるはずがない(潰すはずがない)といわれていた大手金融機関が相次いで破綻した1998年、再び、日本のサラリーマンの平均給与は前年比マイナスに転じます。2000年代に入っても、リーマンショックと東日本大震災が起こり、「給与があがる」を経験しているサラリーマンはどんどんいなくなっていったのです。

 

どん底まで落ちた日本経済、そしてサラリーマンの給与ですが、2013年にプラスに転じます。アベノミクスにより、6期連続で前年比給与増。2000年代に入り12%ほど給与水準は落ち込みましたが、2013〜2018年の間に5%ほど戻しました。「給与なんてあがらない」が常識と化した、バブル以降、久々に「給与はあがる」という感覚を呼び戻したわけです。

 

30年以上も「給与があがらない」という状況下にあった日本。その間に、世界と比べて散々たる惨状になっていたことは、誰もが知るところです。

 

平均年収(実質ベース・購買力平価換算)を比較してみると、バブル崩壊直前の1990年、日本の平均年収は3万7,370米ドル、主要国で12位でした。それが2021年、日本の平均年収は4万0,489米ドルで主要国のなかで20位という水準に。注目すべきは、その上昇幅。他の国と比べて、明らかに日本の上昇幅が低いことが分かるでしょう。

 

【平均年収(実質ベース・購買力平価換算)】

■2021年

1位「スイス」98,229米ドル(185.2%)

2位「アイスランド」92,176米ドル(229.7%)

3位「ルクセンブルク」83,320米ドル(161.2%)

4位「米国」74,738米ドル(153.2%)

5位「デンマーク」73,553米ドル(168.9%)

6位「ノルウェー」72,740米ドル(223.0%)

7位「オーストラリア」66,802米ドル(147.4%)

8位「アイルランド」61,119米ドル(227.5%)

9位「オランダ」60,326米ドル(112.4%)

10位「カナダ」59,155米ドル(146.0%)

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20位「日本」40,489米ドル(108.3%)

21位「韓国」37,195米ドル(168.6%)

出所:OECD

※(かっこ)内は対1990年比

 

さらにOECDによる、2021年、各国の賃金指数(1995年を100とした場合)をみていくと、調査対象である世界主要33ヵ国のうち、唯一日本だけが100を切るという惨状。「アジアで一番の経済大国」と言葉を拠り所にしてきた人は多いでしょうが、サラリーマンの給与は、いまや振り向けば韓国。「アジアNo.1」の地位から転落間近です。