新築マンションの平均価格を押し上げる、駅チカ・高価格のタワーマンション
不動産経済研究所によると、首都圏の2022年上半期(1~6月)の新築分譲マンション市場動向も発表され、供給戸数は1万2716戸で2年ぶりの減少。これは2020年のコロナ禍からの反動で大きく伸びた2021年の反動減としています。
一方で平均価格は6,511万円で、こちらは2年ぶりの上昇となりました。地域別でみると、駅近タワーマンションの供給が続く埼玉県が5,887万円と、前年の同じ期間と比べて19.4%の上昇。東京23区は8,091万円で前年同期比で0.6%の上昇、東京都下は5,418万円で0.6%の上昇、千葉県は4,727万円で4.2%の上昇となりました。一方で神奈川県は5,343万円で前年同期比1.7%の減少。これは駅近の大型・高額物件の供給が減少したことに起因するとしています。
今後、円安による資材高騰などにより、価格の上昇傾向は続くとしています。
駅近好立地、さらに設備面などの付加価値で高額物件となりがちなタワマン。郊外の物件であっても、高層階であれば億超えは当たり前。東京・都心の物件であれば、全戸億ションといったものも珍しくありません。
このような高額物件を買えるのは、富裕層か外国人投資家のどちらか。東京の不動産は高止まりとはいえ、諸外国の主要都市と比べるとずいぶんと安く、投資対象として魅力的に映るといいます。また相続税対策としても富裕層の間で人気を博していました。
最近、その相続税対策に不利な裁判があったことから、タワマンの富裕層離れが言われていますが、それでも都心・駅近のタワマンについては、その資産価値は揺るがなく、ポートフォリオのひとつに組み入れたい不動産として不動の人気を誇ります。
さらに夫婦共働きで世帯収入1,000万円以上の所得があるパワーカップルも、タワマンの主要な購入層として注目されています。パワーカップルについては、世帯年収1,000万円以上とか、共に700万円強で世帯年収は1,400万円以上など、“明確な定義”はありませんが、「高収入の共働き夫婦」であり「消費意欲も旺盛」ということが共通しています。
このような夫婦が仕事と家庭と子育てを両立するために、職住が近い都心の高額タワマンを選んでいるわけです。