本記事では、ニッセイ基礎研究所の熊紫云氏が、老後のための資産形成のために何に投資すると良いのか、考察していきます。
老後のための資産形成-確定拠出年金等で老後のために何に投資したら良いのか?外国株式型、国内株式型、バランス型、外国債券型と国内債券型でのパフォーマンス比較 (写真はイメージです/PIXTA)

金融危機の直前にバランス型に投資したらいくらになるか?

(1)代表的な資産配分固定型バランス運用の資産配分

2021年末まで、バランス型投資信託の純資産総額上位20本のうち、資産配分固定型が12本、資産配分変更型が8本(灰色表記)ランキングに入っている【図表17】。今回はバランス型投資信託の上位20本のうち、6割を占める資産配分固定型を取り上げてみたいと思う。

 

[図表17]純資産総額上位20本のバランス型投資信託一覧(2021年末時点)

 

これら12本の資産配分固定型のうち、三菱UFJプライムバランス(安定成長型)、三菱UFJプライムバランス(成長型)、マイバランス50、マイバランス70、インデックスコレクション(バランス株式30)の5本が確定拠出年金専用である。名称が類似するのは、リスク水準の異なる様々な顧客ニーズに対応するため、運用コンセプトは同一だが、リスク水準の異なる資産配分固定型商品を、運用機関が複数用意しているからである。三菱UFJプライムバランス(成長型・安定成長型・安定型)シリーズ、マイバランス(バランス70・バランス50・バランス30)シリーズ、インデックスコレクション(バランス株式70・バランス株式50・バランス株式30)シリーズはいずれもリスク水準が異なる3つの投資信託を展開し、資産配分は図表18の通りである。

 

3つのシリーズに属している3つの資産配分固定型投資信託を、株式インデックスの配分が高い順に、それぞれ高リスク型、中リスク型、低リスク型と分類する。資産配分を詳しく見てみると、運用機関によって差はあるが、同じ型の資産構成比は類似していることが分かる。たとえば、高リスク型の株式インデックスの配分は、マイバランスシリーズ*11とインデックスコレクションシリーズ*12では70%、三菱UFJプライムバランスシリーズでは75%であり、中リスク型の株式インデックスの配分は、全リーズ50%である*13

 

[図表18]確定拠出年金専用3シリーズの資産配分

 

*11:2021年12月29日から使用開始の当該運用会社の交付目論見書を引用した。

*12:2021年10月27日から使用開始の当該運用会社の交付目論見書を引用した。

*13:2021年8月20日から使用開始の当該運用会社の交付目論見書を引用した。