永住意識も吹っ飛ぶ!?「タワーマンション」ならではのリスク
購入者の満足度が高いタワーマンション。永住志向も強いですが、それを拒む問題も、同調査から読み解くことができます。
修繕積立金が足りない
修繕積立金は、「100 円/㎡超から 200 円/㎡」のタワマンが半数で、総戸数が少ないほど修繕積立金の単価が高い傾向にありました。また「修繕積立金が足りない」というタワマンが48.0%と、こちらもほぼ半数。総戸数や築年数による傾向は特に見られませんでした。
マンションの修繕は、12年に一度と推奨され、物件により頻度は異なるものの、将来を見据えて積立ていくもの。お金が足りなければ必要な修繕も行えない場合も。修繕不全があれば、資産価値にも影響を与えます。
賃貸住戸の増加
マンション管理運営で困っていることとして、31.8%が「賃貸住戸の増加」をあげています。特別議決を成立するには組合員の3/4が必要ですが、賃貸入居者が多くなると同意を得るのが難しくなり、たとえば必要な修繕が行えないなどの弊害も。
コミュニティの希薄
タワーマンションの課題として多くあがったのが「コミュニティの希薄さ」。タワマンを選んだ際に、プライバシー性と回答したのが4人に1人いたことから、そもそも「隣人との交流は不要」と考えている人は多くいます。コミュニティが希薄なことで問題となるのが、まず災害時。どれだけの人が救助を必要としているのか、そのような把握も困難になり、被害増に繋がる可能性も。また築年数が経つにつれて、どのタワマンも高齢化が課題となりますが、コミュニティが希薄なことで孤独死が増える、という問題にも直面しています。
災害時のエレベーター
地震や水害等、タワーマンションならではの不安があるかの問いに、53.2%が「ある」と回答していますが、そのなかでも最も不安に感じているのがエレベーター。東京都が新たに発表した首都直下地震の被害想定でも、最大約2.2万台のエレベーターが非常停止し、最大1万7,000人が閉じ込め被害にあうとしています。
そもそも停電になるとエレベーターが使えず、階段を利用することに。低層階であれば問題はありませんが、高層階ともなるとかなりハードです。
このようにタワマンには「ずっと住みたい」と思わせる魅力がある一方、終の棲家として考えるには「リスクもある」という側面も。特に築年数が経つにつれて「お金が足りない!」という、想定していなかった事態に陥るケースが多く発生しています。
一生に一度の大きな買い物となるマイホーム。どのような形態であれ、良い面もあれば悪い面もあります。タワマンであれば、ほかのマンションにはない課題があり、それを知ったうえで購入するのがベストです。