同じ給与でも全然違う!ホワイト企業とブラック企業の明確な差
最近は電子化が進み、給与明細をしっかりと見る機会のない人も増えていますが、自身の給与がどのように構成されているか、きちんと把握しているでしょうか。
たとえば「基本給25万円、住宅手当などの諸手当が4万円、通勤手当1万円」という会社員と、「基本給10万円、固定残業代20万円」という会社員。どちらも「月収30万円のサラリーマン」です。
しかし所定内実労働時間が月169時間だとすると、前者は時給1,715円、後者は時給591円ということになります。2021年度、全国の平均最低賃金は930円。後者はそれを大きく下回っている計算になります。
また残業代は基本的に「時給×1.25」ですから、前者は2,143円、後者は738円となります。さらに賞与は基本給がベースになるので、仮に3ヵ月分だとすると、前者は75万円、後者は30万円となります。
このように給与全体ではなく、基本給に注目すると、残業代や賞与、さらには退職金などにも大きな差が生じることがわかります。そして基本給を低く設定すると、企業側としては人件費削減となり、メリットしかないことがわかります。そして基本給を低く設定するのは、いわゆる「ブラック企業」と呼ばれる企業に多い傾向にあります。
よくありがちなのは、「基本給10万円、固定残業代15万円」とか「基本給10万円、見なし残業代15万円」などという企業。これは基本給を著しく下げて、残業代はきちんと払っていることを装っているだけ。たとえ見なし残業以上の時間を働いていも、超過分は支払うことはないでしょう。
さらに賞与についても、前出の2人のサラリーマンは、どちらも「実績ベースで給与3ヵ月の賞与」を手にしているといえます。しかし実際に手にする金額は、45万円もの差が生じています。
このように基本給を低く設定して企業は、過剰な人件費削減を画策しているブラック企業の可能性が高いといえます。
一度、給与明細を見直してみましょう。給与に満足していたけど、「あれ、調整手当って何?」「繁忙期でもないのに繁忙手当……」と、謎の手当が支給されている可能性も。知らず知らずにブラック企業で働いていた、そんな恐怖があるかもしれません。