(※写真はイメージです/PIXTA)

昨今のアウトドアブームと相まって、夏場のレジャーシーズンは食中毒が増える季節でもあります。この時季に気をつけたいのが、「腸管出血性大腸菌」による食中毒です。免疫力の弱い子供への感染は特に注意しなければならないと、小児科医の米田真紀子先生はいいます。そこで今回は、「腸管出血性大腸菌」による食中毒の感染経路や症状、予防法についてご紹介します。

腸管出血性大腸菌とは?

大腸菌は名前の通り、人や動物の大腸に生息する細菌の一種で、非常に多くの種類があります。一般的には無害ですが、そのなかで病原性を持つものは約170種類ほど見つかっています。

 

腸管出血性大腸菌は、病原性大腸菌の一種で、ベロ毒素という腸管の出血をもたらす毒素を産生します。一番有名で頻度が多いのはO-157と呼ばれる遺伝子型の大腸菌ですが、それ以外にも、O-26、O-111など数種類が見つかっています。

 

腸管出血性大腸菌に感染すると胃腸炎症状が出ますが、大腸菌から出るベロ毒素によって全身の症状が出てしまった状態を、「溶血性尿毒症症候群(HUS)」といいます。

 

腸管出血性大腸菌は感染症法でコレラや赤痢とともに3類感染症に分類されており、診断すれば届け出が必要です。日本ではここ10年で年間200人から700人の人が腸管出血性大腸菌による食中毒として報告されていて、1年のなかで最も報告数が多いのが7月、8月です。

腸管出血性大腸菌の感染経路

一般的に大腸菌は哺乳類の大腸に生息していますが、家畜を食肉として加工する際に、肉が腸管内の大腸菌に汚染されることがあります。また、汚染された肉から、手や調理器具によって他の食物に大腸菌が伝播することもあります。

 

特にO-157は大腸菌のなかでも感染力が強く、たった50個から100個の大腸菌が体に入っただけでも感染してしまいます。

 

食中毒報告が多いものとしては、生食するユッケやレバ刺しはもちろん、焼き肉やバーベキュー、そして肉だけでなくサラダやフルーツ、お菓子やジュースなどから検出された事例もあります。また、HUSに関しては、免疫力が弱い子供や高齢者で起こりやすいことが知られています。  

 

また、食中毒以外でも、感染症として人から人へ感染することもあります。感染者の唾液や便などの排泄物に大腸菌が含まれており、これが他の人の口に入ることで経口感染を起こします。感染症としての腸管出血性大腸菌の患者数を合わせると、日本で年間2000人から3000人の発症があるといわれています。

 

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    ※本記事は、オンライン診療対応クリニック/病院の検索サイト『イシャチョク』掲載の記事を転載したものです。

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