同じ時間働いて減給か、就業時間延長で現状維持か…シビアすぎる「医師の給与事情」

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同じ時間働いて減給か、就業時間延長で現状維持か…シビアすぎる「医師の給与事情」
(※写真はイメージです/PIXTA)

激務高給なイメージの「医師」という職業。以前は徹夜明けの外来、手術や連日の「36時間勤務」など、心身ともに疲労困憊、綱渡り状態で診療を実施していたといいます。そのようななか、本記事では、医師を取り巻く現状と、「働き方改革」で変わりつつある医療現場について、武井氏が解説します。

休診日はアルバイト…開業しても安心できない理由

その遺留として近年の医師の傾向としては、働き方改革の理念にあるように、従来の職場と自宅の行き来をする病院勤務医をするよりは、ワークライフバランスを重視して時間的な裁量が可能である開業医(クリニック)の希望者が増加しています。

 

そのため、前近代的な働き方を暗黙の了解とする医療機関においては、そのコンセプトを大幅に変えていく必要があり、病院経営維持にとっても死活問題となることが予測されます。

 

それでは、開業医に関しても安泰であるか……というと、実際はそうでもありません。新型コロナウイルス感染により、収益として重要である患者数が二極化し、患者数減少による収益減少・赤字経営を余儀なくされる医療機関が増加しています。

 

その結果、スタッフの給料を支払うために休診日にアルバイト・当直をするなど、これまでの勤務医と同じ過酷な勤務を強いられる医師が増加しています。

 

こうした開業医にも時間外労働の規制が適応されると、時給が1万円程度とされている医師アルバイトの相場を勘案すると、月間100万円以上の赤字経営をしているクリニックでは、院長が投資をするなど新たな方法で収入を得ていかない限りは、経営難によるクリニック閉院を余儀なくされるでしょう。

 

開業をしていれば患者が必ず来るという時代は終わり、今後は綿密な開業計画を行わないと路頭に迷うリスクがあります。開業ブームは再燃していますが、同時に閉院の実態数も増加が見込まれます。

変わりつつある医師の働き方

働き方改革が実行された場合、今後はフリーで勤務する医師は増加するでしょう。人材確保の観点からは条件が改善し、定期非常勤やスポット勤務などの募集案件が増加する可能性はあります。ただ、採用する側もある程度の技術や知識を求めるため、採用ハードルが高くなることも予測されます。

 

医師にも働き方改革が導入されれば、旧態依然とした勤務体制の改善により、医療サービスの向上が望める反面、医師の給与などの金銭面の待遇の向上は難しいかもしれません。

 

それでも、技術・知識や接遇など自分の能力を高め、セルフブランディングを向上させることで、地域住民から信頼されることが、これからの働き方として成功への近道かもしれません。

 

 

武井 智昭

高座渋谷つばさクリニック

院長

 

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※本記事は、オンライン診療対応クリニック/病院の検索サイト『イシャチョク』掲載の記事を転載したものです。