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マネー教育をすれば日本人の生活が豊かになる
――小学校からですか?
渡邊 はい。欧米諸国では、数学や外国語などと同様に、お金の教育をとても重要だと考えています。高校や大学を卒業すると、私たちは社会人として働き、給料をもらうようになります。初任給をもらったとき、丑久保さんは銀行に預金したんですよね。その後のお給料も預金してますか?
――そうですね。というより、そもそも現金はあまり使わないので、給料が振り込まれたら預けっぱなしです。家賃も水道光熱費も自動的に引き落とされますし……。
渡邊 まあ、そうですよね。私たちは、子どもから大人まで、銀行にお金を預けたことがない人はいないでしょう。お金の教育を受けていない日本人は、株や債券など投資のことはよくわからないから、とりあえず銀行に預金しておこうという感じです。
――日本の現金・預金の比率が高いのは、マネー教育の差なんですね。
渡邊 ええ。日本人だけが、わざわざ金利がつかない預金を好んで選択している、というのは考え難いですからね。投資の知識がないから、あくまで消去法で現金・預金を選択せざるを得ないのでしょう。また、欧米諸国は日本よりも私的年金制度が充実しているので、年金・保険の項目にも株式や債券、投資信託での運用が含まれています。実際の数値以上に、日本と欧米の差は開きがあります。
――でもどうして日本では、金融教育を学校で学ばないのでしょう。お金に対するイメージが悪いからですか?
渡邊 その通りです。日本では、人前でお金の話をするのは、どこかタブーという風潮がありますよね。人前どころか親子や夫婦間でも、お金の話はしない人が少なくありません。でも、お金のことを知らないから損をしていることもあるはずです。お金の増やし方、守り方、使い方……マネー教育を学ぶことで、私たちの生活が豊かになるのです。
――日本人もお金の知識を身につければ、欧米のように資産運用を始める人が増えるかもしれないですね。僕も、もっと早く金融の勉強をしておけばよかったな……。
渡邊 一慶
ファイナンシャル・プランナー
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