株式投資、投資信託、FX、仮想通貨……世の中にはさまざまな投資商品があり、それぞれにメリットやリスクがあります。それらをきちんと知ったうえで始めるのが鉄則です。今回は不動産投資に焦点をあて、具体的なメリットなどを解説していきます。
不動産投資のメリットとは?他の投資法にはない魅力、5つ【資産コンサルタントの解説】

不動産投資の具体的な5つの魅力

不動産投資には、他の投資や資産運用にはない魅力があります。ここではその魅力を5つに整理して解説します。いずれも不動産投資を始めるうえで必須となる知識なので、これらを理解してしっかりとメリットを享受してください。

 

1.不労所得を得られる

所有している不動産から得られる家賃収入は、いわば不労所得です。もちろんその収入を得るためにさまざまな作業が必要になりますが、最初に仕組みを作ってしまうと以降は中長期的にわたって不労所得に近いような収入が得られるのは、不動産投資の最大の魅力でしょう。

 

購入する物件によっては家賃収入のほとんどがローン返済に回ってしまうこともあります。それだと不労所得がないと思われるかもしれませんが、そんなことはありません。

 

家賃収入でローンを返済することができれば、いわゆる他人資本で不動産を手に入れることができるので、やはりこれも不労所得です。ローン返済が完了したあとからは返済義務がなく、家賃収入がそのままオーナーの不労所得となります。

 

2.レバレッジをかけられる

レバレッジというのは、「てこの原理」のことです。少ない金額で大きな規模の投資が可能になることを「てこの原理」になぞらえている ことから、レバレッジと呼ばれています。不動産投資では多くの場合、物件購入価格の全額を投資家が負担することはありません。一部を自己資金として用意するだけで大半は金融機関からの借り入れで調達します。

 

もちろん借り入れは返済の必要がありますが、家賃収入をローン返済に充当して完済することができれば、実質的に自己資金だけで不動産を手に入れたことになります。自己資金分だけで投資を始められるため投資効率が高く、このことは不動産投資のレバレッジ効果と呼ばれています。

 

なお、レバレッジの概念は他の投資にもあります。FXやCFD、先物取引などでは証拠金と呼ばれる投資資金の一部を預け入れることで大きな規模の運用が可能ですし、株式投資でも信用取引を利用すれば自己資金に対して約3.3倍までの運用が可能 です。

 

それならレバレッジ効果は不動産投資だけのものではなく魅力とはいえないのでは?と思われるかもしれませんが、これらは同じ「レバレッジ」という名称でも仕組みが全く異なります。

 

不動産投資のレバレッジは中長期的に所有し、そこから収入が得られる資産をローンという他人資本を組み入れながら運用します。

 

それに対して株の信用取引やFXなどのレバレッジは、「手持ち資金よりも大きな規模の投資をして大きな利益を狙う」ためのものです。手持ち資金が10万円の場合、国内FXであれば25倍までのレバレッジをかけることができる ため250万円分の投資が可能になります。

 

ただし、思惑どおりのトレードになれば大きな利益を手にすることができますが、相場が逆の方向に動いてしまうと大きな損失につながるリスクがあります。

 

ギャンブルで例えるのは語弊がありますが、賭け金を大きくするためにあるレバレッジと、他人資本を活用して資産を購入し利益を積み上げるのとでは、大きく意味合いが異なることがおわかりいただけると思います。

 

3.投資対効果が高い

先ほど解説したレバレッジ効果を得ることにより、不動産投資は自己資金に対する投資効果が高くなるメリットがあります。

 

たとえば物件価格が3,000万円の区分マンションに投資をする場合、本来であれば3,000万円+諸経費が必要になるところですが、自己資金1割でローンを利用できるのであれば300万円の自己資金だけを用意して残りはローンで調達して物件の購入が可能になります。

 

ローンで調達した資金は他人資本なので、大部分を他人資本で調達しながら満額の家賃収入が得られることから、投資効率がとても高くなるのです。

 

不動産投資には、CCRという指標があります。これは「Cash on Cash Return」の略で、日本語では自己資本収益率と訳されます。ローン調達分を含む投資額全部ではなく、自己資金だけで収益率を算出する指標 です。

 

先ほどの例では300万円が自己資金なので、この300万円でどれだけの収益を上げられたかがCCRによって求められます。CCRの計算式は、以下のとおりです。

 

(年間収益 ÷ 自己資金) × 100 = CCR(%)

 

仮に先ほどの例で挙げた3,000万円のマンションで毎月10万円の家賃、つまり毎年120万円の収益が得られているとすると、CCRは以下のようになります。

 

(120万円 ÷ 300万円) × 100 = 40%

 

CCRが40%だと3年目で早くも自己資金の全額を回収できることになるため、とても優秀な投資効率です。同条件であっても自己資金が少なければCCRはさらに高くなるので、不動産投資は「いかに収益を上げるか」だけでなく「いかに自己資金を効率よく回すか」も重要であることを知っておいてください。こういった概念があるのも、不動産投資には高い投資効率という魅力があるからです。

 

4.年金や生命保険代わりになる

不動産投資の年金効果や生命保険効果は、不動産会社などのサイトを見てもよく登場する言葉です。不動産投資では不労所得に近い家賃収入が入り続け、それが定年退職後も変わることはありません。つまり現役世代のうちに不動産を購入しておけば老後の年金代わりになる、というわけです。

 

もう1つの生命保険効果についても同様で、保険料を支払うくらいなら不動産を購入して家賃収入が入り続ける仕組みを作っておけば、不動産の持ち主(一家の大黒柱となる人)に万が一のことがあっても、家賃収入が働けなくなった本人や家族の生活を支えます。

 

しかも不動産投資のためのローンでは多くの場合、団信(団体信用生命保険)といって生命保険の加入がセットになります。ローンの返済をしている本人が返済不能になったときに保険金で残債を完済するための仕組み なので、不動産投資ローンを組むと自動的に生命保険に加入したのと同じことになります。

 

5.相続税対策になる

あくまでも概念だけを理解していただくために簡単に解説すると、相続時の財産は現金で持っておくよりも不動産のほうが評価額は少なくなります。これにより、課税対象額が少なくなることで相続税の節税対策になる、という仕組みです。

 

現金だと流動性が高く今すぐにでもさまざまな用途に使うことができますが、不動産だとそこまでの流動性はありません。相続財産の評価ではその点が考慮されるため、現金と比べて評価額が少なくなるのです。

 

しかも、不動産投資に供している物件には借主がいるため、貸主であるオーナーの権利は制限されます。その点も評価されるため、不動産投資をしている人は所有している不動産の価値によっては課税対象額を控除額が上回り、相続税が無税になる可能性もあります。