給与が払われません!毎年数万人の「給与未払い」は氷山の一角
「基本給が低い」はまだましかもしれません。給与は払われて当然、と考えがちですが、そうではありません。
厚生労働省が賃金未払いの企業に対しての指導をまとめた『監督指導による賃金不払残業の是正結果(令和2年度)』によると、2020年の是正企業は1,062企業で対象労働者数6万5,395人。
さらに指導により1,000万円以上の割増賃金を支払ったのは112企業で、支払われた割増賃金合計額69億8,614万円、1企業当たり658万円、労働者1人当たり11万円が支払われました。
割増賃金の合計額の推移をみてみると、最近は減少傾向にあるものの毎年数万人に対して、数十億から百数十億円もの未払い金が発生していることがわかります。
【年度別「未払い賃金総額」】
2011年:145億9,957万円
2012年:104億5,693万円
2013年:123億4,198万円
2014年:142億4,576万円
2015年:99億9,423万円
2016年:127億2327万円
2017年:446億4195万円
2018年:124億4883万円
2019年:98億4068万円
2020年:69億8614万円
出所:厚生労働省:『『監督指導による賃金不払残業の是正結果』より
もちろんこれがすべて、というわけではなく、あくまでも行政指導が入った企業の総額。世の中には、給与未払いで苦労している人たちがさらにいると考えられます。
そのような状況下、無料で相談する窓口はいろいろと設置されています。ブラック企業だからと諦めることなく、まずは行動を起こすことから始めてはどうでしょうか。