労働人口の減少がみえている日本において、如何にして人手を確保するかは、重要課題のひとつです。そのような議論のなか、初めてクローズアップされたのが氷河期世代。「辛酸を嘗め続けてきて、やっと……」という思いと、「いまさら手遅れ」という思いが入り乱れている、そんな現状をみていきましょう。
手取り22万円「非正規・氷河期世代」を襲う「一生氷河期」という悲劇

40代氷河期世代…非正社員と正社員を比べてみると

厚生労働省『令和3年賃金構造基本調査』によると、大卒男性、非正社員の平均月収は31万1,400円、手取りにすると24万円ほどになります。

 

40代に注目すると、40代前半で月収28万9,200円、40代後半で28万6,900万円。手取りにすると22万円ほどです。また同時期の正社員をみていくと、40代前半で月収44万6,200円、40代後半で48万3,500円。

 

年功序列が根強く残る日本では、通常、年齢が上がるにつれて収入も上がっていくもの。正社員ではそのストーリーを描くことができますが、非正社員では難しいことがわかります。

 

また非正社員では賞与も期待できず、全体の全世代平均で推定419万円。40代前半では361万円、40代後半で365万円。同時期の正社員は40代前半で684万円、40代後半で748万円。少々、悲しくなってくる結果です。

 

そんな非正社員ですが、あえて正社員にはならず、高給を手にする人たちもいますので、大卒男性・非正社員の給与分布を確認してみましょう。

 

全世代で基本給20万円未満は26.8%。40代前半では27.3%、40代後半で28.2%。40代にして3人に1人弱が、大卒初任給以下の水準です。

 

【大卒男性・非正社員の給与分布】

20万円未満:27.3%/28.2%

20万~22万円未満:12.8%/15.3%

22万~24万円未満:16.5%/13.2%

24万~26万円未満:6.4%/6.7%

26万~28万円未満:4.6%/7.9%

28万~30万円未満:8.2%/4.7%

30万~32万円未満:4.8%/4.5%

32万~34万円未満:2.3%/2.1%

34万~36万円未満:2.6%/3.6%

36万~38万円未満:5.0%/1.5%

38万~40万円未満:1.9%/2.1%

40万円以上:7.7%/10.2%

 

出所:厚生労働省『令和3年賃金構造基本調査』より算出

 

「大学を卒業しても、一生、非正社員でしかない……」。そんな諦めの境地にいる氷河期世代。仮に大学卒業後、65歳まで働いたとしたら、正社員との生涯年収の差は1.1億円にもなる計算。生まれた時代を恨みたくなるのも、仕方のないことかもしれません。