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元気な人でも突然発症…「心筋梗塞」の特徴とは
心筋梗塞は、主要な症状として急に胸に激痛が起こり、胸に締めつけられるような圧迫感を覚える危険な心臓の病気であることが知られています。
発症した場合には、すぐに救急車で病院に担ぎ込んで早急に治療を施さないと、死亡率約40%と死を招きやすいことでも広く知られており、多くの人を前触れもなく襲う恐ろしい病気といえるでしょう。
心筋梗塞という病気は、心臓を養う冠動脈という血管が突然ふさがり、冠動脈疾患を起こすことによって心筋の一部への血液供給が大きく減少、遮断されて発症します。心臓への血液供給が数分以上にわたって大きく減少するか中断されると、心臓の横紋筋の筋肉組織が壊死することに繋がることから、大変危険です。
心臓のポンプ機能は、心筋が収縮と拡張を繰り返すことで維持されているため、心筋梗塞を起こして心筋の一部が機能しなくなって死んでしまうと、ポンプ機能が正常に働かなくなり、心不全などを引き起こしてしまうのです。
また、急性心筋梗塞では、同時に心室細動という危険な不整脈を合併しやすく、そうなった場合には特に迅速で適切な治療の有無が生死を分けることになります。実に、亡くなる人の半数以上が、発症後1時間以内に集中しているという統計もあるなど、大変恐ろしい疾患です。
心筋梗塞を引き起こすとされている主な要因としては、高血圧、肥満、糖尿病、脂質異常症、高尿酸血症、ストレス、喫煙、家族歴などが挙げられますが、心筋梗塞が起こる前には予兆があるとされており、この病気を適切に治療する方法もあることから、早期発見が命運を分けるといえるでしょう。
心筋梗塞に「なりやすい人」と「そうでない人」の違い
食習慣
心筋梗塞になりやすい人の特徴のひとつとして、ラーメンやうどんといった麺類の汁を飲み干すなど、日常の食生活において塩分を過剰に摂取している人が挙げられます。
血液中に塩分が増えてしまうと、必然的に血圧が上がり、血圧が高い状態が続くと血管壁はその圧力に耐えようとして生理的に厚く硬くなってしまうため、動脈硬化が進行します。
塩を使う代わりに酢やレモンなどを活用するなど、普段から調理法を工夫している人は心筋梗塞になりにくいと考えられます。
次に、野菜や海藻から日常的にミネラルやビタミン群を摂っている人は心筋梗塞になりにくいといえるでしょう。
一般的に、血液中のカリウムが増えると、ナトリウムが排出され血圧が下がる傾向が指摘されています。カリウムを豊富に含むのは、トマト、カボチャ、ほうれん草、サトイモなどの野菜類、バナナ、シイタケ、納豆などが代表例であり、こうしたカリウムを多く含む食品の摂取は高血圧を予防して心筋梗塞の発症リスク低減に直結すると考えられます。
また、カルシウムの摂取が少ないと、骨などからカルシウムが溶け出て血液中のカルシウムが増え、血栓ができやすくなるといわれています。そのため、カルシウムを豊富に含む牛乳や小魚、大豆製品、ヒジキや昆布などの海藻類を食事に取り入れることも効果的です。
野菜に含まれるビタミン群は、動脈硬化を促進する活性酸素を除去してくれます。したがって、野菜類、海藻類、大豆製品などは、体に大切なミネラルやビタミンの宝庫であり、急性心筋梗塞を未然に予防してくれますので、普段から心掛けて摂取しましょう。
運動習慣
心筋梗塞の予防には、食生活における工夫と並んで、習慣的な運動が効果的であり、ウォーキングなど有酸素運動を1回当たり30分程度、週に3~4回と無理のない範囲で実践している人は、心筋梗塞になりにくいと考えられます。
特に歩くことは健康維持の基本であり、歩行時に筋肉を使えば使うほど基礎代謝が上がり、血液の循環がよくなって動脈硬化を予防することに繋がりますので、日常生活ではなるべくエスカレーターやエレベーターには乗らず階段を使うなど、意識的に歩くことを心がけましょう。
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