会社員の給与からは、所得税と住民税が天引きされます。会社が個人に代わって納税してくれているわけですが、いったいどれほど納税しているのでしょうか。考えてみましょう。
平均年収600万円…「大卒サラリーマン」が生涯天引きされる税金、衝撃の合計額

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大卒男性会社員の生涯年収はいくら?

——あれ、これしか振り込まれていない

 

ほとんどの人が、給与日に振込口座を確認し、頭に疑問符が浮かんだ経験があるのではないでしょうか。給与の額面と手取りの差。会社員にとって、なかなかやっかいな問題です。

 

給与から天引きされるのは、大きく6つ。まずは厚生年金。一般的には4~6月の3ヵ月の給与から算出した標準報酬月額で保険料は決定されます。そのためその間に残業が多いと保険料が多くなるので注意が必要です。

 

次に雇用保険。いわゆる失業保険で、失業したときに再就職の支援を受けるためのもので、失業し条件を満たすと「基本手当(上限は18万~22万円ほど)」がもらえます。

 

そして健康保険。自身や扶養する家族に、病気やけが、傷病による休業、出産、死亡があった際に、健康保険の運用元が医療費を負担してくれたり、給付金を支給したりしてくれます。

 

また所得に課税される所得税と、地方税の一種で、都道府県が課税する道府県民税(東京都は都民税)と、市区町村が課税する市町村民税(区市町村民税)である住民税が天引きされます。さらに40歳になると介護保険も天引きされるようになります。

 

これら6つを、会社が代行して払ってくれているわけですから、ありがたいといえばありがたいのですが、やはり額面と手取りをみると「こんなに引かれるんだ……」とため息ひとつくらい、つきたくなります。

 

そのなかで、所得税と住民税といった税金は実際の使い道のイメージが分からないので、天引きされて少々もやもやとする人もいるかもしれません。そんな所得税と住民税、会社員人生でどれほど払っているのでしょうか。

 

厚生労働省『令和3年賃金構造基本統計調査』によると、大卒男性会社員の平均年収は631万0,400円。各年代の平均年収は以下のようになります。

 

【大卒男性会社員の推定年収の推移】

20~24歳:3,399,300円

25~29歳:4,476,500円

30~34歳:5,274,100円

35~39歳:6,168,400円

40~44歳:6,760,900円

45~49歳:7,385,100円

50~54歳:8,315,300円

55~59歳:8,145,400円

60~64歳:5,684,100円

出所:厚生労働省『令和3年賃金構造基本統計調査』より算出

 

仮に留年などせずに大学を卒業し、60歳で定年退職後に再雇用。65歳を迎えるまで働いたとしたら、生涯年収は単純計算、2億8,420万円ほどになります。