他人はいくら給与をもらっているか……やはり気になるところ。そして多くの人が願うのは、「平均=ちょうど真ん中」というイメージがあることから、「平均以上はもらっていたい」ということ。日本人の給与事情、「ちょうど真ん中」をみていきます。
「給与!? ちょうど平均くらいかな」という40代大卒会社員…本当の「手取り額」

【関連記事】平均年収585万円近く(東京)だが…都道府県の間の巨大すぎる格差

日本人の給料…ちょうど真ん中はいくら?

「給料って、どれくらいもらってる?」

「うーん、ちょうど平均くらいかな」

 

そんな会話をしたことがある人は多いのではないでしょうか。どのように答えるかは人それぞれだとして、なんでも「平均以上」だと安心を覚えるもの。「平均=ちょうど真ん中」というイメージから、「普通よりは上」と思えるからでしょうか。

 

ご存知の通り、「平均」はすべてのデータの値をたしてデータの個数で割った値。たとえば日本人の平均年収は433万円といわれていますが、一部が平均値を一気に押し上げることもあるので、「ちょうど真ん中」と言われると怪しいところがあります。

 

一方同じように「真ん中」を問う際に出てくることがあるのが「中央値」。これは集団に対して、小さい順に並べた際に中央に位置する値。平均値は異なり、極端な影響は受けにくいとされています。ただ経年の変化を正しく反映しない場合があり、平均値は下がっているのに、中央値は上がっている、ということもあります。

 

このように「平均」という言葉を使う場合、「ちょうど真ん中」という意味で使うことが多いですが、実際は微妙に異なります。では日本人の給与、「ちょうど真ん中」はどこにあるのでしょうか。厚生労働省『令和3年賃金構造基本統計調査』によると、全年齢、男女計、学歴計の「所定内給与額」の平均は月30万7,400円。手取りだと「23万円」ほどが平均です。同じく、中央値だと月26万9,100円。手取りだと「21万円」ほどになります。

 

*労働契約等であらかじめ定められている支給条件、算定方法により6月分として支給された現金給与額から、超過労働給与額を差し引いた額(税引き前)

 

さらに年齢別にみていきましょう。20代前半の平均値は月21万円ほどですが、年齢と共に上がっていき、50代前半で月36万円強とピークに達します。中央値も同様の曲線を描きますが、平均値との差異も年齢共に上がっていき、60代前半では月約5万円ほどの差が生じます。給与を平均値で語るか、中央値で語るか。年齢によってその差はずいぶんと変わってくるようです。

 

【年齢別給与の「平均値/中央値」】

20~24歳:213,100円/210,100円

25~29歳:246,200円/238,400円

30~34歳:275,800円/262,000円

35~39歳:305,000円/283,200円

40~44歳:328,000円/301,700円

45~49歳:344,300円/314,500円

50~54歳:366,200円/327,300円

55~59歳:365,500円/323,500円

60~64歳:292,800円/245,800円

 

出所:厚生労働省『令和3年賃金構造基本統計調査』より

※数値は所定内給与額、左:平均値、右:中央値