新年度がスタートし、初々しい新卒者が仲間入り。そんな彼らが手にする給与は、男女間で、企業規模によって、業種によって、地域によって、すでに大きな格差がありました。厚生労働省の調査から、新規学卒者の給与の実情をみていきます。
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新卒会社員の給与…平均21万2,300円

街で初々しい新入社員のみなさんを目にする機会が多いこの季節。「ン十年前は、自分もこんな感じだったのかな」と思わず、遠い目をしてしまう人も多いことでしょう。

 

そんなみなさんが新入社員だったころ、初めて手にした給与はいくらだったか覚えているでしょうか。

 

厚生労働省『令和3年賃金構造基本統計調査』によると、新規学卒者の基本給(所定内給与額)は、前年から100円減少の平均21万2,300円。男女別でみてみると、男性は21万3,400円、女性は21万1,000円でした。

 

学歴別にみていくと、高校卒と大学卒で4.5万円ほど、大学卒と大学院卒で3万円ほどの差があります。

 

【学歴別「新規学卒者の基本給」】

高校卒:17万9,700円/18万1,600円/17万6,300円

大学卒:22万5,400円/22万6,700円/22万3,900円

大学院卒:25万3,500円/25万4,100円/25万0,900円

 

出所:厚生労働省『令和3年賃金構造基本統計調査』

 

企業規模でみていきましょう。「従業員10~99人企業」は20万0,100円、「従業員100~999人企業」は20万9,800円、「従業員1,000人以上企業」は22万1,00円。大企業と中小企業で最大2万円ほどの給与差が生じています。

 

さらに産業ごとにみていきましょう。16業種のうち、最も新卒の給与が高いのは、「学術研究、専門・技術サービス業」。理学や医学・薬学の研究所、法律事務所、公認会計士事務所などが含まれる業界で23万2,100円。一方で最も新卒の給与が低いのは「複合サービス事業」。郵便局や農業協同組合などが含まれる業界で、18万4,800円。新卒という同じスタートラインでも、すでに5万円近い給与差が生じています。

 

【業種別「新規学卒者の基本給」】

学術研究、専門・技術サービス業:232,100円

情報通信業:229,100円

鉱業、採石業、砂利採取業:221,600円

不動産業、物品賃貸業:221,100円

医療、福祉:219,700円

金融業、保険業:213,500円

教育、学習支援業:212,800円

卸売業、小売業:212,000円

建設業:211,100円

サービス業(他に分類されないもの):210,300円

電気・ガス・熱供給・水道業:207,600円

製造業:200,100円

宿泊業、飲食サービス業:199,500円

生活関連サービス業、娯楽業:199,400円

運輸業、郵便業:196,500円

複合サービス事業:184,800円

 

出所:厚生労働省『令和3年賃金構造基本統計調査』