親の賃金もあがらず、仕送り厳しく…
2008年、親からの仕送りは月々12万円ほどでしたが、減少の一途を辿り、現在は月々3万円ほど少ない9万円ほど。その分、アルバイトに精を出す学生が増えています。その状況下でコロナ禍。多くの学生がアルバイトを行う飲食店を中心に休業が相次ぎ、収入が減少。生活苦の学生がニュースでも取り上げられ、食料の配給を受ける学生の姿に、驚きを覚えた人もいたのではないでしょうか。
厚生労働省『令和3年賃金構造基本統計調査』によると、平均賃金は男女計で30万7,400円、中央値は26万9,100円です。また正社員に限ると、平均賃金は32万3,400円、手取り25万円ほどです。
その推移をみていくと、この10年で額面1万円ほどあがった程度。給与が上がらないなか、多くを仕送りできない……といった家庭が多かったのでしょうか。さらにウクライナ問題などから、物価の上昇もみられ、親のも学生である子どもも、負担増に見舞われています。
【平均賃金の推移】
2008年:29.91 万円/31.65 万円
2009年:29.45 万円/31.04 万円
2010年:29.62 万円/31.15 万円
2011年:29.68 万円/31.28 万円
2012年:29.77 万円/31.70 万円
2013年:29.57 万円/31.47 万円
2014年:29.96 万円/31.77 万円
2015年:30.40 万円/32.11 万円
2016年:30.40 万円/32.17 万円
2017年:30.43 万円/32.16 万円
2018年:30.62 万円/32.39 万円
2019年:30.77 万円/32.54 万円
2020年:30.77 万円/32.42 万円
2021年:30.74 万円/32.34 万円
出所:厚生労働省『令和3年賃金構造基本統計調査』
数値左、一般労働者男女計平均賃金、右、正社員平均賃金
学生の本分は勉強であり、できればアルバイトしなくてもいいだけの仕送りはしたいというのが親心。しかしそれが叶わず、心苦しい思いをしている人も多く、子どももこれ以上、親には頼れないという状況です。
前出の学生調査で「経済的勉強を続けることが難しい」と回答したのが、3.6%。少しでもそのようなリスクを感じていると回答した学生も合わせると18%近くにも及びます。日本の将来を担う大学生たち。お金の心配をすることなく、学問に集中できる環境をいかにつくっていくか、日本が抱える大きな問題です。