仕送り月9万円…「もう親に頼れない」「大学を辞めるしかない」困窮する学生たちの悲痛

独立行政法人日本学生支援機構が行った『学生生活調査』によると、学生の生活費は大きく減少。厳しさ増す学生の姿が浮き彫りになりました。みていきましょう。

コロナ禍でアルバイト収入が大幅に減少

全国の学生を対象に学生生活の状況を調査する、独立行政法人日本学生支援機構『令和2年度学生生活調査』によると、2020年の大学生（昼間部）の学生生活費（学費＋生活費）は、前回2018年調査に比べて10万1,000円減少の、181万円となりました。

また国立・公立・私立で比べてみると、合計では私立が国立、公立を大きく上回るものの、生活費では私立が最も少なくなっています。

さらに自宅通学か、下宿通学で学生生活費を比べてみると、自宅通学では160万1,500円、下宿通学では241万4,300円と、自宅を離れたほうが年間55万円ほど出費がかさんでいるという結果に。また生活費だけに注目すると、自宅通学では38万7,000円に対し、下宿通学では110万8,000円。自宅外の学生は月に9万2,300円でやりくりしている、というのが現状です。

【国立・公立・私立「学生生活費」】

国立：59万2,000円／83万9,800円／143万1,800円

公立：60万5,000円／76万7,900円／137万2,900円

私立：131万0,700円／61万7,900円／192万8,600円

※数値左より、学費、生活費、学費＋生活費

【自宅通学・下宿通学「学生生活費」】

国立：「自宅」98万7,100円／「下宿」172万1,800円

公立：「自宅」99万3,000円／「下宿」168万9,000円

私立：「自宅」170万4,800円／「下宿」241万4,300円

出所：独立行政法人日本学生支援機構『令和2年度学生生活調査』

大学生の収入についてみていくと、2020年は親からの仕送りが114万5,000円、月に9万5,000円ほど、アルバイト収入が36万7,000円、月3万円ほどを手にしています。

10年ほどの推移をみていくと、多少の上下はあるものの、親からの収入は下落傾向、アルバイト収入は増加傾向にありました。ただコロナ禍でアルバイト収入は大きく減少し、前回調査から3万5,000円の減少となりました。