症状はそっくりだが…「ただの気落ち」と「うつ病」との決定的な差【産業医が解説】

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症状はそっくりだが…「ただの気落ち」と「うつ病」との決定的な差【産業医が解説】
(※写真はイメージです/PIXTA)

リモートワークの拡大によって多様な働き方が生まれる一方、コミュニケーションの分断によって「メンタル不調」に陥る人が増えています。しかし、それがただの気分によるものか、「うつ病」などの症状なのか、自分ではなかなか判断できません。そこで、VISION PARTNER メンタルクリニック四谷の尾林誉史院長が、「気分」と「病気」の違いについて、チェックリストを交えながら詳しく解説します。

ボーダーラインは2週間?「うつ病」のチェックリスト

この新たな局面に、新たなメンタル不調が生まれ始めているのか?

 

その答えはNoです。症状の現れ方や訴え方には、人の数だけ違いがありますが、根底を流れる疾患概念やその治療法には、私は大きな変化はないものと考えています。

 

ここでは、比較的多くのビジネスパーソンに現れる、うつ病(抑うつ状態、うつ症状など、様々な呼称がありますが、ここでは端的にうつ病とします)の気付き方や捉え方について、改めて整理しておきたいと思います。

 

チェックポイントはいくつもありますが、特に以下の点に着目してみるとよいでしょう。

 

1.なんとなく、鬱々としていないか
2.大好きなこと、趣味などにしっかりと打ち込めているか
3.おっくうな感じ、面倒くさい気持ちに支配されていないか
4.睡眠欲や食欲、性欲などがしっかりとキープできているか


1.については、とても直接的な内容ですが、なんとなく気分が晴れない、どことなく不安な気持ちで過ごしている、そんな感覚があれば該当しているかもしれません。

 

2.については、アウトドアでもゲームやアニメでもなんでも構いません。ご自身が好きでやっていること、そこには何時間でも費やせてしまえることに、なんだか意欲が湧かないなと感じられる方は、要注意です。

 

3.は、具体的な行動面について、たとえば、食事をするとか、場合によってはシャワーを浴びるとか着替えをするとか、そんな日常的な動作に、このような感覚を伴う方は、注意が必要でしょう。

 

4.もとても直接的な内容ですが、とても大切なポイントです。これらすべてがキープできていない方は少ないかもしれませんが、どれかひとつでもキープできていない方は、意外と少なくないかもしれません。

 

これらの症状のいくつかが、2週間以上続いているようでしたら、心の水位はあまり高くないと思った方がよいでしょう。たとえば、「昨日嫌なことがあって、今日はなんとなく気分が悪いなあ」とか、「雨が降っているから、コンビニに行くのが面倒くさい」などと、一過性に現れるものは、正常な感覚ですので気にしなくても大丈夫です。

 

あくまでも、一定の期間、このような気分に支配されていることが重要です。

 

類似の疾患に適応障害があり、確かにその症状は、うつ病の症状に似ています。しかし、適応障害は、原因となるストレスが生じてから1ヵ月以内に発症するもの、と定義されており、明確なストレスが背景に多いことが知られています。

 

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※本記事は、オンライン診療対応クリニック/病院の検索サイト『イシャチョク』掲載の記事を転載したものです。