2022年4月4日から、東証が市場再編をおこないます。果たしてそれは、個人投資家にどのようなメリット・デメリットをもたらすでしょうか? また、その際にはどのような銘柄に注目すべきでしょうか? 考えてみましょう。
2022年4月「東証市場再編で注目すべき銘柄はこれだ!」の煽りに…プロトレーダー、冷静なツッコミ ※画像はイメージです/PIXTA

「市場再編」…どのような銘柄に注目すべきか

そこで、「どのような銘柄に注目すべきか」という問いについて考えてみても、実は「答えは不明」というのが正しいでしょう。

 

市場再編は確かに、各市場ごとのコンセプトを明確化して、投資の利便性を高めるでしょう。しかしそれぞれの市場の中には、過大評価されている会社も、過小評価されている会社もありますし、業績の上昇や下落によっていずれ市場を移動する会社もあるはずです。

 

投資家は、(インデックスファンドを買うのでない限り)市場を買うのではなく、会社を買うのです。その会社の現在の価値、将来性、そしてそれに対する株価の高低を考えることが重要であり、したがって、市場再編によってその原則が変わることはないでしょう。

 

「市場再編で注目すべき銘柄はありますか?」とよく聞かれますが、申し訳ありませんが、市場再編によって注目する銘柄があるかどうかは、不明です。メディアは「市場再編による注目銘柄」などという情報を発信するかもしれませんが、その予想が当たるかどうかも疑問です。

 

ですから、わからないことに注意を払うよりも、それまでの自分の手法を磨き、研究していくことの方が、重要でしょう。投資というのは、周囲に流されず自分なりの根拠を持ってするものなのです。

 

まとめ:自分の投資手法を崩さないように

2022年4月4日から東証は、プライム市場、スタンダード市場、グロース市場の3区分に再編成されます。これは、それぞれの日本語訳「prime=主要な」「standard=標準」「groth=成長」を考えるとコンセプトがわかりやすいでしょう。

 

個人投資家におけるそのメリットとして、その会社がどんな会社であるかがわかりやすくなる、ということが挙げられます。

 

一方のデメリットとして、各市場区分のイメージに左右されてしまい、各会社を色眼鏡で見てしまって判断が鈍る、ということが起きるかもしれません。

 

そして、「どのような銘柄に注目すべきか」という問いに対しての答えは、「不明」です。ですから、わからないことに注意を払うよりも、それまでの自分の手法を磨き、研究していくことの方が、重要ではないでしょうか。

 

 

株式会社ソーシャルインベストメント 取締役CTO
川合 一啓

 

 

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