会社員の副業として最適といわれている不動産投資。営業マンはどのような理由から、そのように言っているのでしょうか。一方で「不動産投資で失敗した」という会社員も。どこに落ち度があったのでしょうか。みていきましょう。
年収600万円の会社員…営業マンのセールストークを信じて地獄をみる

不動産投資は赤字でもいい…よく聞くセールストークの真意

\4/9(土)/
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いろいろなメリットがあげられる「会社員の不動産投資」ですが、「節税になりますよ」のメリットから「不動産投資は赤字でもいいんですよ」という営業マンもいます。その根拠となるのが、前述のとおり「損益通算」。不動産投資の赤字分を給与所得で相殺できるから、という考えです。

 

しかしこの言葉は少々言葉足らず。赤字でいいのは「会計上」のこと。「キャッシュフローが赤字」になるのは避けたいところです。

 

そもそも不動産所得は、家賃収入から経費(減価償却費や修繕費、固定資産税、借入金の返済など)を引いたもの。そして支出には減価償却費のような「支出のない経費」と、それ以外の「支出を伴う経費」があります。減価償却は「長期間にわたって使用される固定資産の取得に要した支出を取得した時に全額必要経費になるのではなく、その資産の使用可能期間の全期間にわたり分割して必要経費としていく配分していく」という手続きのこと。減価償却の仕組みにより、「会計上は赤字」という状態が作り出すのです。

 

一方で「キャッシュフローが赤字」というのは手元に何も残っていない状態です。たとえば「毎月、管理費分が赤字となり手出しが必要」という状態などをいいます。そうなっても「大丈夫。物件を売ればプラスになります。投資としては成功です」という営業マンがいますが、物件を手放してしまっては「私的年金として活用できます」というメリットは享受できないということになります。

 

「不動産投資に失敗した!」という会社員の言い分に耳を傾けると、「不動産投資は赤字でもいい」という営業マンの言葉を信じ、キャッシュフローが赤字になる不動産に投資をした、というパターンが多いようです。

 

もちろん売却益を見据えて、全体的にプラスになることを当初から掲げ実現できたのであれば、それは投資として成功だといえるでしょう。まずは出口も含めて投資目的を明確にすることが肝心です。