数多ある薄毛治療…学会が「もっとも推奨する」治療法【専門医が解説】

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数多ある薄毛治療…学会が「もっとも推奨する」治療法【専門医が解説】
(※写真はイメージです/PIXTA)

男性型脱毛症(AGA)はすでに原因が解明されていて、医学的根拠(エビデンス)に基づいた治療法がいくつも定められています。今回は、東京メモリアルクリニック院長の栁澤正之氏がその医学的根拠のある治療法について「推奨度」と「治療優先度」に触れながら解説します。

女性のAGA治療には「ミノキシジル外用剤」

さまざまなメーカーから販売されているミノキシジル外用剤ですが、こちらは男女ともに「推奨度:A(強く勧める)」の治療です。

 

男性のAGAについては「内服治療」と「ミノキシジル外用治療」が同じ「推奨度:A」となっていますが、実は治療優先度について差があります。

 

「ミノキシジル外用治療」は効果が証明されている治療ではありますが、AGAの根本原因を解決するものではありませんので、単独使用では一時的な改善はしても将来的にAGAが進行してしまいます。

 

AGAの根本的治療である内服治療をしたうえで行う補助的治療、と考えてください。

 

ですが女性の薄毛については、AGA内服薬のような特効薬がないので推奨度、優先度ともに一番高い治療になります。(男性用ミノキシジルは5%、女性用ミノキシジルは1%のものが承認されています。)

 

医学的根拠のない他の一般的な育毛剤と同列に考えられがちですが、ミノキシジルは明確に毛を太くする効果が証明されている治療薬です。混合しないように気を付けてください。

自毛植毛手術、低出力レーザー…「推奨度B」の治療法

自毛植毛手術「男性推奨度:B(勧める)」

 

自分自身の(主に後頭部の)太い毛を、毛の少ない部分に移植する「自毛植毛手術」も推奨された治療です。

 

内服や外用治療は明確な効果があるとはいいますが、個人差や薄毛進行度によっては完全によくなりきらないことがあるのもまた事実です。そんな場合でもさらに改善することができるのが植毛手術ですが、あくまで手術であるうえ高額になることも多いことから、必須ではなく追加で行う治療選択肢の1つ程度に考えてください。

 

女性に対しては研究件数が少ないことから「推奨度:C1(行ってもよい)」となっていますが、特にリスクがあるという訳でもなく男女とも同様に考えて大丈夫です。

 

人工毛移植については「推奨度:D(行うべきではない)」とされています。いまだに一部で行われているようですが、明らかに頭皮に障害を与えるものですので注意してください。

 

■赤色LED、低出力レーザー「推奨度:B(勧める)」

 

一定の波長のLEDやレーザーには美肌効果があることなども報告されています。同様に髪の毛にも改善効果があるという報告があり、また一定の安全性も確認されていることからガイドラインで推奨されています。

 

ですが世界的に広く確証を持って使われているというわけでもなく、フィナステリド・デュタステリド内服やミノキシジル外用剤などと比べると優先度は低いと思われます。

 

優先度の高い治療を行ったうえで、「それ以上の改善希望」と「予算」があるようであれば選択肢に入れていただいてもいいかと思います。

 

■アデノシン外用剤「男性推奨度:B(勧める)」

 

一部の育毛剤に配合されているアデノシン外用についても「ミノキシジル外用剤と同等の効果があると示唆された」という報告があり推奨されています。女性についても研究件数の差で「女性推奨度:C1(行ってもよい)」となっていますが、特に差はないでしょう。

 

こちらも推奨はされていますが治療優先度としては比較的高くはない、「希望と予算次第で選択肢に入る治療」と考えてよいでしょう。

 

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※本記事は、オンライン診療対応クリニック/病院の検索サイト『イシャチョク』掲載の記事を転載したものです。