株式投資をする際に、参考にする人も多い「企業の決算書」。そこには売上がいくらあり、経費をいくらつかい、どれくらい儲かったか(利益=売上-経費)を記す「損益計算書」がありますが、そこに記されている利益はあくまで会計上の利益であり、本当の儲かり具合とはギャップがある場合もあります。本当の企業の姿をみるために、投資家はなにに注目すべきなのでしょうか。
見かけの数値に騙されるな!株主投資家が注目すべき「企業の数字」 ※画像はイメージです/PIXTA

現預金や有利子負債、自己資本比率にも注目

また、継続的にキャッシュを稼いでいる会社は、貸借対照表にも特徴が現れてきます。

 

まず、お金が入ってくるため現預金が積み上がってくることになります。そしてそれゆえに、利息を払って金融機関にお金を借りたり社債を発行したりする必要性も少なくなるため、有利子負債も少なくなります。

 

そして、総資産中の純資産(=総資産-負債)の割合が高くなっていきます。この割合は自己資本比率といいますが、財務的安全性の高さを示す指標として有名なものです。

 

つまり、継続的にキャッシュを稼いでいる会社は、現預金が多く、有利子負債が少なく、自己資本比率が高くなってくるものなのです。

たくさんの勉強が必要…そしてわからなければ投資しない

しかしながら、これだけで本当の儲けを見抜けるとも限りません。

 

会計操作の方法は多様です、その他にも注目した方が良い数値もあります。また、上場企業はお金を貯めこむだけでは社会的意義がありませんので、少々無理をしてでも設備などに投資をし、さらなる成長を目指すことも必要です。そしてその場合は、現預金が減り、有利子負債が増え、自己資本比率も下がります。しかし、そのような企業が大成功して本当に儲ける場合もあるのです。

 

ですから、本当の儲けを見抜くためには、たくさんの企業の決算書を読み、比較し、あらゆる数値を読み解き、そこに違和感がないかどうかを見抜くバランス感覚のようなものが必要だといえるのかもしれません。

 

つまり、たくさんの勉強が必要なのでしょう。

 

また投資をする際には、よくわからない企業には投資しない、という冷静さも必要です。投資をしなければ、そのお金が減ることはないのですから。

 

■まとめ:本当の儲けを知るためには勉強が必要

損益計算書に記される会計上の利益は、合法の範囲内でも十分に操作可能であり、それには様々な方法があります。

 

それを見抜くためにはまず、キャッシュフロー計算書の「営業キャッシュフロー」に注目するとよいでしょう。

 

また、継続的にキャッシュを稼いでいる会社は、貸借対照表にも、現預金が多い・有利子負債が少ない・自己資本比率が高い、という特徴が現れてくるものです。

 

しかしながらそれだけで本当の儲けを見抜けるとも限らず、たくさんの勉強が必要でしょう。たくさんの企業の決算書を読み、比較し、あらゆる数値を読み解き、そこに違和感がないかどうかを見抜くバランス感覚のようなものが必要なのです。また、よくわからない企業には投資をしない、という冷静さも必要でしょう。

 

 

株式会社ソーシャルインベストメント 取締役CTO
川合 一啓

 

 

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