株を買うという行為は「その会社の一部を買う」ということです。つまり株主は「その会社が株主のことをきちんと考えている良い会社かどうか」を見極める必要があります。。では株主のことを考える良い会社とは、どのような会社なのでしょうか。みていきましょう。
本当に株主のこと、考えている?「優良企業」を見極める、条件4つ ※画像はイメージです/PIXTA

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条件・その1…配当が多い

まず、配当の多い会社は、株主のことを考えているといえるでしょう。

 

しかし、ここでいう配当が「多い」とは、どういうことでしょうか? 実は、一般的な指標である「予想配当利回り」は、株価に対する予想配当の割合ですので、株価の高低を示しているにすぎません。その会社が配当による株主還元をどう考えているかとは、別問題です。

 

では株主のことを考えている会社はというと、純利益に対する配当金額の割合である「配当性向」が高い傾向にあります。それは、儲けの多くを株主に還元しているということになるからです。

 

他にも、減配がない・少ない、増配が多い、なども株主のことを考えている姿勢だといえます。

 

それらは、過去にさかのぼって調べてみるとその会社の傾向がわかります。有価証券報告書の「主要な経営指標等の推移」にて過去5年分の配当金額や配当性向を調べることができます。また、同報告書の「配当政策」にて、その会社がどのような方針で配当を出しているかもわかります。

条件・その2…適時自社株買いをおこなう

その会社が自社の株を買うことを、自社株買いと呼びます。また、それによって自己所有した自社株を、自己株式とも呼びます。

 

基本的に自社株買いをする過程で、その会社の株価は上がっていきます。そして、自社株買いをするということは株価が割安だとその会社が考えているということでもあるため、自社株買いのアナウンス自体が株価上昇につながることもあります。また、その会社による自己株式が増えるということは、流通する株式の割合が減るということですので、1株あたりの価値が濃縮されるという意味も持ちます。

 

つまり、適時自社株買いをして、株価が安くなりすぎないように買い支えたり、既存株主の1株あたりの価値を濃縮したりすることもまた、株主のことを考えた姿勢だといえるのです。

 

ちなみにこちらも、有価証券報告書に「自己株式の取得等の状況」として記載されています。