(※写真はイメージです/PIXTA)

最近、「物忘れ」を訴えて来院される40〜60歳くらいの働き盛りの人が増えていると、ブレインケアクリニックの今野裕之院長はいいます。また、来院者は組織のなかで重要な仕事を任されている人が大半だそうです。その症状は、「ただの物忘れ」なのか「若年性認知症」なのか……高齢者だけではない「認知症」のサインと治療法、改善方法について詳しくみていきましょう。

若年性認知症は「男性のほうがかかりやすい」?

若年性認知症は統計的に「男性のほうがかかりやすい」といわれています。もっとも、どのような特徴を持つ人が発症しやすいかについてはまだはっきりしたことはわかっていません。

 

ただし、若年性であったとしても一般的な認知症と同じように、運動不足や糖尿病や高血圧、肥満といった生活習慣病、アルコールや喫煙などの嗜好品は発症や症状の進行に悪影響をおよぼす可能性が高いと考えられます。

 

若年性認知症のチェックリスト


□大事なものをよくなくす
□約束をすっぽかしてしまうことが増えた
□何度も同じことをいっていると指摘される
□数分前の出来事が思い出せない
□今日が何月何日かでてこない
□言おうとしている言葉がすぐ思いつかない
□計算が苦手になった
□性格が変わったといわれる
□料理や片付けが苦手になった
□身なりにあまり気をつかわなくなった
□よく知っている場所のはずなのに道に迷ってしまうことがある


このような症状が現れている場合は、脳の機能に関してなんらかの問題が起こっている可能性があります。ただし、当てはまったからといって「確実に認知症である」とは限らないため、本チェックリストで複数の項目に当てはまった場合、一度お近くの医療機関を受診してみることをおすすめします。

根本的な治療法はまだないが「改善できること」はある

前述の治療可能な認知症を除けば、認知症に対して確立された根本的な治療法はまだありません。抗認知症薬の効能はあくまで症状の進行を遅らせるというものです。

 

しかし、認知症になったとしても、普段の生活習慣の改善などによって認知機能を改善する、あるいは認知症の症状の進行を遅らせることは不可能ではありません。

 

たとえば当院に来院される患者さんには、ストレス、生活リズムの乱れ、睡眠不足、アルコール、偏った食事などの問題を抱えている人が多くいますが、これらは認知機能の低下につながります。

 

ストレスや悩みがあると、物事に集中できなくなりますから、人の話を聞き逃したり、理解が追いつかなくなったりして、物忘れやミスを起こしやすくなります。

 

生活リズムが乱れ、睡眠がうまくとれなくなると昼間も頭がぼんやりし、注意力などが低下します。食事のバランスが乱れ、必要な栄養素が不足すれば脳全体の働きが低下します。

 

認知症の有無に関わらず、このような問題をできる限り改善すれば、症状の改善や進行を遅らせることにつながります。

 

特に睡眠不足はほとんどの人にみられる問題で、背景として睡眠時無呼吸症候群が存在する場合もあります。これは治療を受けることによって劇的に改善するので、睡眠に関して問題があるようであれば睡眠外来や呼吸器内科などを受診し、検査を受けることをお勧めします。

 

また、アルコールは脳の働きを抑制してしまうため、物忘れが気になってきたらやめましょう。

 

ストレスや疲労を減らし、規則的な生活リズムを心がけ、十分な睡眠時間を確保し、バランスのよい食事を摂る、定期的に運動をする、趣味や学習などで頭を使う活動を続けるといったことが、脳の機能を維持し、認知症の症状を食い止めるために大変重要です。

 

最近は認知機能改善効果を期待させるサプリメントや機能性食品がたくさん販売されています。なかには一定の条件・期間内で認知機能が改善したことを研究で報告している成分もあります。

 

しかし、「一定の期間内で認知機能を改善できたこと」イコール「認知症を治せること」ではありません。

 

残念ながら現時点では「これを飲むだけで認知症を治せる」という成分は見つかっていませんので、サプリメントや機能性食品を使うだけで安心してはいけません。

 

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※本記事は、オンライン診療対応クリニック/病院の検索サイト『イシャチョク』掲載の記事を転載したものです。