会社の中枢として活躍する「肩書・部長」の人たち。しかし、いつか役職が外れる時が訪れ、多くは「肩書・なし」で働き続けることになるでしょう。果たして、そのとき、何が起きるのか、みていきましょう。
手取り42万円・日本の部長…「給与52%減」にもうやっていられない

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上昇志向の低い日本人が所得を増やす数少ない手段とは?

いま勤めている会社で管理職になりたいですか?

 

そう聞かれたら、どのように答えるでしょうか。2019年に行われた調査で、非管理職に同様のことを聞いたところ「管理職になりたい」と回答したのは21.4%。調査対象となった14ヵ国のなかでもひと際出世欲が低いという結果になりました(株式会社パーソル総合研究所『APACの就業実態・成長意識調査』)。

 

日本人は上昇志向が低いのか、はたまた、企業に魅力がないのか、一概にはいえませんが、多くの会社員が正当な評価のもと、望むか望まざるかは別として、出世していく人がいます。責任となるポジションになるわけですから、その対価は給与として支払われることになります。

 

役職は企業によって異なりますが、平社員から係長になった場合、基本給は37万1,900円、推定年収は623万5,000円、大卒・男性に限ると推定年収は667万0,000円になります。

 

さらに役職が課長になった場合、基本給は49万2,200円、推定年収は799万5,000円、大卒・男性では881万9,000円になります。

 

そしていよいよ役職は部長になった場合、基本給は59万4,400円、推定年収は928万7,700円、大卒・男性で1,033万4,000円になります。

 

手取りにすると、月に約42万円。これが日本の部長の平均的な姿です。

 

一方、国税庁『令和2年民間給与実態統計調査』によると、会社員の平均年収は433万0,000円。給与水準は30年間ほとんど変わらないといわれ、実際に30年前、1990年の平均年収は425万2,000円。給与がなかなか上がらないなか、出世は所得を増やす数少ない手段のひとつだといえるのです。

 

【会社員の平均給与の推移】

1990年:4,252,000 円

2000年:4,610,000 円

2015年:4,204,000 円

2016年:4,216,000 円

2017年:4,322,000 円

2018年:4,407,000 円

2019年:4,364,000 円

2020年:4,330,000 円

 

出所:国税庁『民間給与実態統計調査』より