金融広報中央委員会『家計の金融行動に関する世論調査』の最新調査から、おひとり様の資産形成の実情をみていくと、哀しいほどの格差がみえてきました。みていきましょう。
貯蓄3,000万円、将来年金20万円強…「勝ち組単身者」の高笑い (※写真はイメージです/PIXTA)

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おひとり様の最新貯蓄事情

最新の国勢調査によると、全国の未婚率(配偶関係より、配偶あり、死別、離別、配偶関係不詳を除く値)は26.2%。また20歳から50歳未満に限ると、未婚率は全国平均40.1%で、男性39.4%、女性42.0%。5人に2人は未婚です。

 

結婚したくてもできない、という人もいるでしょうし、結婚そのものに興味がない人もいるので、一概に未婚率だけで語ることはできませんが、確実に「生涯おひとり様」は増えています。

 

人生100年時代。老後に備えて自助努力が求められ、長期的な資産形成の必要性がいわれていますが、それは単身者であっても同じこと。金融広報中央委員会が毎年行っている『家計の金融行動に関する世論調査[単身世帯調査]』の最新の結果によると、将来を見据えての資産である「金融資産がある」という人は、単身者全体の66.8%。約3割強は将来を見据えた資産形成ができていません。

 

さらに金融商品(金融資産に預貯金で日常的な出し入れ・引落しに備えている部分を加えたもの)を「いずれも保有していない」という単身者は3.8%。前年から1ポイント程度ダウンしましたが、単身者25人に1人は「その日の暮らしで精一杯」という状況です。

 

【金融商品を「いずれも保有していない」 と回答した世帯の比率】

2018年:5.6%

2019年:5.4%

2020年:5.1%

2021年:3.8%(70歳未満4.1%)

 

金融広報中央委員会『家計の金融行動に関する世論調査[単身世帯調査]』(2021年)より作成

 

将来に見据えて資産形成を行っている単身者層に注目していきましょう。金融資産の保有額の平均値は1,614万円。ちょうど真ん中である中央値は500万円です。3,000万円以上と、将来的に絶対的に安泰という人が14.1%いる一方で、100万円未満という人たちが20.6%と、格差は大きいものになっています。

 

【金融資産ありの「単身者」貯蓄保有額】

100万円未満:20.6%

100万~200万円未満:10.1%

200万~300万円未満:5.5%

300万~400万円未満:5.6%

400万~500万円未満:3.4%

500万~700万円未満:7.7%

700万~1,000万円未満:7.8%

1,000万~1,500万円未満:8.2%

1,500万~2,000万円未満:5.9%

2,000万~3,000万円未満:7.1%

3,000万円以上:14.1%

 

金融広報中央委員会『家計の金融行動に関する世論調査[単身世帯調査]』(2021年)より作成