老後資金がゼロの人は、もちろん働かないと生活が立ち行かなくなってしまいます。しかし、たとえ老後資金を準備できたとしても、60歳以降の人生において仕事は大切です。ファイナンシャルプランナーの長尾義弘氏が著書『運用はいっさい無し!60歳貯蓄ゼロでも間に合う老後資金のつくり方』(徳間書店)で60歳から老後資金を貯める方法を解説します。
「60歳貯蓄ゼロ」でも大丈夫です…起死回生の方法とは?【FPが解説】 (※写真はイメージです/PIXTA)

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60歳で貯蓄ゼロでも起死回生の方法はある

■50代は少しでも準備を

 

あなたがまだ50代なら、少しずつでもいいので老後資金の準備に取りかかりましょう。その際は、iDeCoやNISAが役に立ちます。老後資金を目的とするのであれば、オススメ順はiDeCo、つみたてNISA、NISAとなります。教育資金として貯める、60歳より前に使う予定があるといった場合は、つみたてNISAか、NISAのほうがいいでしょう。

 

ちなみに、低金利時代ですので、個人年金保険はあまりオススメできません。唯一のメリットは個人年金保険料控除があることです。利用したいのであれば、iDeCoやNISAを検討したあと、3番手、4番手として考えてはいかがでしょうか。

 

もし、フリーランスや自営業者ならば、小規模企業共済はオススメです。節税効果も高いですし、困ったときに貸付け制度もあるので、とても便利な制度です。

 

■人生100年時代に対応した働き方

 

長生きが当たり前の時代になってきました。いまや100歳以上は8万6500人を超え、最多記録を更新し続けています。60歳なんて人生の3分の2を終わっただけ、まだ3分の1が残っているのです。「定年後は余生だ」などと思っていると、時間を持て余してしまうでしょう。

 

老後資金がゼロの人は、もちろん働かないと生活が立ち行かなくなってしまいます。しかし、たとえ老後資金を準備できたとしても、60歳以降の人生において仕事は大切です。働くことは生きがいに通じますし、社会との接点、コミュニケーションの場ともなります。

 

現役時代と同じようにフルタイムではなく、時短で働いてもかまわないのです。少しでも収入を得られれば、取り崩す老後資金が減り、資産寿命を延ばすことができます。

 

そのためにはキャリアを磨いておく必要がありますし、パラレルキャリアや副業を持っておくのもいいことです。しぶしぶ働いたって、人生はつまらなくなるばかり。楽しみながら長く働ける道を考えていただきたいと思います。

 

■60歳からでも遅くない

 

老後資金を貯めるのは、なかなか難しい時代です。とはいえ、60歳で貯蓄ゼロだとしても、起死回生の方法はあるとおわかりいただけたでしょう。

 

60歳からでも老後の準備は遅くありません。60歳は第二の人生のスタート地点です。ここから始めたって楽しい人生はおくれますから、あきらめないで頑張りましょう。

 

みなさん、60歳はまだまだ老後とは呼べません。何歳からが老後という定義はないのです。自分が老後かなと思ったときが、老後の始まりだとも言われます。そう考えると、老後なんて永遠にこないかもしれませんね。

 

さあ、あなたも第二の人生を思い切り楽しんでください。

 

長尾 義弘(ながお・よしひろ)
ファイナンシャルプランナー、AFP、日本年金学会会員
大学卒業後、出版社に勤務。いくつかの出版社の編集部を経て、1997年に「NEO企画」を設立。出版プロデューサーとして数々のベストセラーを生みだす。著書には『かんたん!書き込み式 保険払いすぎ見直しBOOK』『老後資金は貯めるな!』(河出書房新社)、近著に『運用はいっさい無し!60歳貯蓄ゼロでも間に合う老後資金のつくり方』(徳間書店)などがある。

 

 

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