通勤や通学の足として、利用している人も多い鉄道。国土交通省『鉄道統計年報』ではJRを除いた280を超える鉄道路線の輸送人員や旅客収入をまとめています。この1年で最も人を運び、収入を得た鉄道路線とは。みていきましょう。
全国「鉄道路線」ランキング…日本で最も「儲けている路線」は年間収入1,000億円超え (※写真はイメージです/PIXTA)

全国の鉄道路線で、最も「儲けている」のは?

続いて、旅客収入についてもみていきましょう。

 

収入は輸送人員と関係が強いことは、誰もがイメージするところ。最も収入が多いのは、輸送人員同様「小田急電鉄小田原線」で、年間1,000億円超え。続いて「近畿日本鉄道大阪・京都・奈良線」で、こちらも年間1,000億円超えでした。3位は「東武鉄道伊勢崎線」で800億円ほどでした。

 

【全国「鉄道路線旅客収入」ランキング上位10】

1位「小田急電鉄小田原線」46,966,550/67,298,897/114,265,447

2位「近畿日本鉄道大阪・京都・奈良線」38,246,037/65,904,092/104,150,129

3位「東武鉄道伊勢崎線」39,066,178/49,670,628/88,736,806

4位「京浜急行電鉄本線」28,154,727/37,238,390/65,393,117

5位「京王電鉄京王線」29,576,926/34,362,514/63,939,440

6位「大阪市高速電気軌道御堂筋線」16,753,347/46,920,816/63,674,163

7位「東武鉄道東上本線」28,042,587/29,459,434/57,502,021

8位「東京地下鉄東西線」27,550,919/27,995,506/55,546,425

9位「東京急行電鉄田園都市線」26,497,608/26,716,562/53,214,170

10位「阪急電鉄神戸線」19,809,180/33,032,872/52,842,052

 

出所:国土交通省『令和元年鉄道統計年報』

※数値は左より、定期旅客運輸収入/定期外旅客運輸収入/旅客運輸収入合計

※単位は千円

 

旅客収入は、輸送人員のほか、有料特急の有無も影響が大きいようです。たとえばトップの小田急であれば、箱根方面を結ぶ「ロマンスカー」、近鉄であれば「ひのとり」など、東武であれば「スペーシア」など。ファンも多い特急が走り、旅客収入を押し上げています。

 

今回参考にした資料は、JRの路線を除いたもの。JR路線も集計されていたものであれば、新幹線や山手線などがランクインし、大きく順位が変動したものと思われます。

 

またコロナ禍前のデータであり、現在は、リモートワークや休校措置などで、通勤・通学利用が減り、観光地を結ぶ路線は観光客減で大きな打撃を受けていると考えられます。一方、ラッシュ時の混雑率が問題だった路線は、思わぬ形で解消となったケースも。

 

ただ、旅客収入は鉄道事業者の根幹となる部分。鉄道事業はメンテナンス等の固定費比率が高いビジネスであり、収入減は安全・安心の運行にも関わるところ。今後の利用動向に注目です。