通勤や通学の足として、利用している人も多い鉄道。国土交通省『鉄道統計年報』ではJRを除いた280を超える鉄道路線の輸送人員や旅客収入をまとめています。この1年で最も人を運び、収入を得た鉄道路線とは。みていきましょう。
全国「鉄道路線」ランキング…日本で最も「儲けている路線」は年間収入1,000億円超え (※写真はイメージです/PIXTA)

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全国の鉄道路線で、最も人を運んでいるのは?

国土交通省『令和元年鉄道統計年報』に掲載されている鉄道路線は、JRを除き、287路線。これらの輸送人員と旅客収入をみていきます。なお、当資料による路線分類によるものなので、実際とは異なる場合があることに留意ください。

 

まず最も輸送人員が多いのは、「小田急電鉄小田原線・江ノ島線」。年間7億5,000人もの人を運んでいます。

 

小田急電鉄小田原線は、東京都新宿区「新宿」と神奈川県小田原市「小田原」を結ぶ路線。途中神奈川県相模原市「相模大野」で江ノ島線が分岐し、神奈川県藤沢市「片瀬江ノ島」を結んでいます。小田原線は82.5km47駅、江ノ島線は27.6km17駅と、両線合わせて100kmを超える長距離路線です(駅数は重複含む)。

 

東京都世田谷区、川崎市北部、東京都町田市と、東京西部の人口密集地と、世界一のターミナルである「新宿」を結ぶ路線だけあり、多く通勤客、通学客に利用されています。また箱根方面へとアクセスできるため、観光客利用も多いことで知られています。

 

2位は「京王電鉄京王線」で、年間5億人を超える利用客を誇ります。「新宿」と東京都八王子市「京王八王子」を結ぶ路線で、「笹塚」からは「新宿」で都営地下鉄新宿線に連絡する線増部も。世田谷区、調布、府中など、東京市部と「新宿」を結ぶ路線だけあり、小田急小田原線同様、通勤・通学利用の多い路線です。

 

朝の通勤時間帯は列車本数が非常に多く、ダンゴ運転がいまや名物でもある路線。現在、連続立体交差工事(「笹塚」~「仙川」)を進めており、完成すればいくぶん改善されると期待されています。

 

3位は「東京地下鉄東西線」で、こちらも年間輸送人員、5億人超え。東京都中野区「中野」と千葉県船橋市「西船橋」を結ぶ路線で、東京地下鉄でありながら、東京都外も走る路線です。また地下鉄でありながら、「南砂町」を過ぎてから「西船橋」までの約14kmは地上を走ります。

 

東西線といって有名なのが朝のラッシュ。コロナ禍前は、朝の混雑率は200%近くもあり、国内ワーストでした。時差通勤でポイントを付与するなど、コロナ禍前から混雑緩和のための取り組みが行われています。

 

上位は首都圏や関西圏の人口密集地を走る路線が並びます。東名阪以外で最上位は、40位の福岡市営地下鉄(集計上空港線、七隈線、箱崎線の合算)で年間1億7,000億人の利用となっています。

 

【全国「鉄道路線輸送人員」ランキング上位10】

1位「小田急電鉄小田原線・江ノ島線」471,601/281,892/753,493

2位「京王電鉄京王線」322,885/206,332/529,217

3位「東京地下鉄東西線」335,712/191,163/526,875

4位「東京地下鉄丸ノ内線」280,363/231,423/511,786

5位「東京地下鉄千代田線」303,579/180,646/484,225

6位「近畿日本鉄道大阪・京都・奈良線」278,372/197,679/476,051

7位「東京急行電鉄田園都市線」299,172/168,233/467,405

8位「東京急行電鉄東横線」267,607/183,174/450,781

9位「京浜急行電鉄本線」253,973/194,066/448,039

10位「東京地下鉄日比谷線」250,363/193,812/444,175

 

出所:国土交通省『令和元年鉄道統計年報』

※数値は左より、定期輸送人員/定期外輸送人員数/輸送人員合計

※単位は千人