(※写真はイメージです/PIXTA)

知的障害にはあたらず、支援も受けられないが、生きづらさを抱えている…。自身が「境界知能」である事実を、大人になってから知る方も多いと言います。あまり知られていない「境界知能」について、精神科医の岡田夕子氏が解説していきます。

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「小学校のテスト」何点ぐらいとれていましたか?

みなさんは小学校のフルカラーのテストのことを覚えていますか? 自分が何点ぐらいとっていたか、覚えているでしょうか。

 

「どんなに悪かったとしても、70点は常にあったよね」という方が読者の方の大半を占めるのではないでしょうか。中には「ほぼ100点ばかりだった」なんて方もいるかもしれません。

 

小学校のテストは、そういった楽しい思い出と共にある方が多いのではないかと思います。

 

しかし、このフルカラーのテストをどんなに一生懸命解いても30点、40点しかとれない子どもも存在します。

 

満点に近い点数ばかりとれていた方からすると、「あのテストでそんな点数はとれっこない!」と思うかもしれません。

 

でも、みなさんのクラスの中にも何人かは存在していたはずで、統計的な数値で見れば、35人クラスの下位5人に該当します。

 

彼らは手を抜いているから低い点数になっているわけではありません。一生懸命に宿題をやって、きちんとテストを受けているのですが、周囲からやる気がないとみなされて悲しくなってしまうこともあるようです。

知能指数(IQ)とはなにか

まずは知能指数(IQ)について説明しておきましょう。

 

「彼はIQ160でMENSAの会員だ」といった言葉を、テレビなどで聞いたことがあるかもしれません。でもIQの平均値って、いくつかご存知でしょうか?

 

IQは100を中心に正規分布を示します。IQ85–115の間に約68%の人が収まり、IQ70–130の間に約95%の人が収まります。ですから、160というのは95%から外れた異常値になります。ただ、高い方の異常値は基本的に困ることはないですよね。

 

では、70以下の人はどういう扱いになっているでしょうか。

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本記事は、最先端の「自分磨き」を提供するウェルネスメディア『KARADAs』から転載したものです。