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「美容外科バブル」の日本…クリニックの見極め方
美容整形と聞くと、みなさんはどのようなイメージを持つでしょうか。いいイメージか悪いイメージかでいうと、どちらかといえば悪いイメージを抱く人がまだ多数派なのではないでしょうか。
広告とは違う高額な見積もりをされた。事前の打ち合わせとは違う仕上がりになってしまった。未承認機器による医療ミス、後遺症に悩まされる…残念な話は枚挙にいとまがありません。
都市部を中心に、巷には美容外科や美容皮膚科が溢れかえっています。特に、コロナ禍で渡韓できなくなった日本人が日本の美容外科市場に押し寄せてきたため、美容外科はこの2年間実はバブルのような状態です。
その影響からか、近年大手美容外科から独立する医師が多く、東京ではいま開業ラッシュです。特に、銀座では通りを歩くと10メートル毎に美容外科や美容皮膚科の看板を見るといっても過言ではありません。
このようなクリニック過剰の状況下、消費者は玉石混交の美容外科クリニックのなかから自身の目的にあったクリニックをどのように選択していけばいいのでしょうか。
インターネットやSNSの情報は間違った情報もあります。広告の謳い文句に騙されないためにも、今回は美容外科クリニックを選ぶ際に、最も大切な3つのポイントについて解説します。
ポイント1…「医師」が一貫して診療を行うか
美容外科は医療です。当たり前と思う人と、なんだか医療というと違和感があるという人がおられるでしょう。実際、美容外科は医療です。クリニック開設は市区町村に届出をしますし、所轄の保健所の管轄下に入ります。ただ、美容外科は保険診療が認められておらず、自費診療のみになるという点が普通の病院と異なる点です。
したがって、きちんとした医療としての美容外科診療を受けたければ、普通の病院と同じようなスタイルで診療をしているクリニックを選ぶと失敗が少ないです。
“美容医療に詳しい”カウンセラーという謎の業種
もう少し具体的にお話をすると、受診したら医師に直接悩みを相談して、その悩みを解決するのに費用も医師がきちんと説明するクリニックを選んでください。
クリニックによっては、カウンセラーという謎の業種が医師と患者のあいだに割って入ってくるケースがあります。
このようなクリニックでは、“美容医療に詳しい”カウンセラーが患者さんの悩みを聞いて最適な治療法を提案します。なんだかおかしいと思いませんか?
多くの場合、カウンセラーは医療資格をもっていません。美容医療に詳しいただの人が、医師に代わって最適な治療をお勧めしてきます。
さらに、カウンセラーは営業をしてきます。たとえば、埋没二重2万円からという広告をみて受診した人にあれこれオプションをつけて30万円です。なんてこともいわれてしまうわけです。
往々にして、カウンセラーは経営者から売り上げのノルマを課せられていることが多いので、無駄な施術まで勧める傾向にあります。
そして、最悪のクリニックだと、カウンセラーが契約をとって、医師と初めて会うのは手術室、なんて所もあります。
想像してみてください。風邪をひいて内科に受診したら、直接医師に相談しますよね。決してカウンセラーに相談して、診断され薬を処方されたりはしないはずです。
美容外科も医療です。受診した患者さんはまず手術を担当する医師と相談し、その医師がその患者さんの悩みを解決するために必要な処置の説明をします。
さらに私は、その治療にかかる費用も医師がきちんと説明するクリニックをお勧めします。手術は医師と患者さんとの契約です。
したがって、施術を担当する医師が責任をもって費用の話までするのが説明義務であると思います。