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延伸計画に期待…「東京メトロ南北線」沿線にマイホームを買おうとしたら
先月、政府と東京都が、東京メトロ南北線を延伸させる計画を本格的に進める方針を固めました。「品川」駅と「白金高輪」駅の約2.5キロの間に「品川地下鉄」を新設する計画で、2030年代半ばの開業が見込まれています。
現在の「品川」駅には新幹線駅があり、またリニア中央新幹線の始発駅になる予定。羽田空港との乗り継ぎ客も多く、南北線延伸によって、山手線内の六本木や永田町へのアクセスが飛躍的に向上します。
現在、品川区の「目黒」駅から北区の「赤羽岩淵」駅の20キロ強を山手線内の中央部を貫くように走る、東京メトロ南北線。利便性の向上を睨んで、沿線にマイホームを検討しようと考えている人もいるのではないでしょうか。
不動産価格の高い山手線内はハードルが高いので、その外にあたる「駒込」から「赤羽岩淵」間でまずは検討となるでしょう。
国土交通省「土地総合情報システム」で駅周辺の中古マンションの価格をみてみると、「王子」駅周辺の平米単価は81.79万円、終点「赤羽岩淵」駅周辺で、74.00万円。そもそもファミリー用物件が少ないエリアですが、80平米の中古マンションで6,000万円~という水準。「やはり都区内は高い!」という結論に達する人も多いでしょう。そうなったとしたら、次のステップは「赤羽岩淵」駅から直通で乗り入れする、埼玉高速鉄道沿線での検討になります。
埼玉高速鉄道は、「赤羽岩淵」駅とさいたま市緑区「浦和美園」駅の14キロ強を結ぶ第3セクター。2002 FIFAワールドカップに合わせて工期が短縮され、2001年に開業した首都圏でも新しい路線です。
なかでも注目なのが、始発駅・終着駅である「浦和美園」駅。「埼玉スタジアム2002」の最寄り駅で、開業当初、試合のない日は閑散としたエリアでした。しかし駅周辺は土地区画整理事業エリア「みそのウイングシティ」に指定され、現在も県や市、都市再生機構によって開発が進められています。
当初、「何もない」駅周辺も、2006年に、駅南側に現「イオンモール浦和美園(開業時イオン浦和美園ショッピングセンター)」がオープンすると、その周辺で店舗や住宅が増加。駅東口の複合施設には、「美園コミュニティセンター」「さいたま市緑区美園支所」や「さいたま市立美園図書館」などの公共施設が整備され、生活利便性は飛躍的に向上しました。また子どもの増加にともない、小・中学校も開校。ファミリー層から支持され、ランキングでも登場するような街へと変貌を遂げています。