【関連記事】ランキング急上昇「多摩境」…本当に「住みやすい街」なのか?
大規模再開発で「職・商・住・医」が揃う街が誕生
住宅ローン専門金融機関「ARUHI」が発表した「本当に住みやすい街大賞2022」。そこで1位に選出されたのが「辻堂」。夏の海水浴シーズンに遊びにいくところ、というイメージが強く、「ランキング1位」に疑問符の人も多いことでしょう。
「辻堂」があるのは、神奈川県藤沢市。東海道線「辻堂」駅は「藤沢」駅の隣で、東海道線や東京上野ラインで「品川」「東京」方面、湘南新宿ラインで「渋谷」「新宿」方面へダイレクトにアクセスすることができます。
「辻堂」が一躍注目されることになったのは駅北口の再開発で、「関東特殊製鋼」の本社工場跡地の利用転換を進めるというものです。
藤沢市では「辻堂駅周辺地区まちづくり方針」で、この地区を藤沢市の5つの核(都市拠点)のひとつと位置づけ、大規模工場の跡地を中心に、「まちの活動が育てる地域の先導的な産業拠点」「多様な都市活動が広域的に連携する拠点」「湘南ならではのライフスタイルを展開・発信する拠点」という3つの将来像を示しました。
そのうえで、開発面積約30ha、将来居住人口約2,300人、就業人口約1万人という目標のもと、商業施設が集まる「複合都市機能ゾーン」、公園・公共施設を配する「広域連携機能ゾーン」、医療機関を誘致する「医療・健康増進機能ゾーン」、事業所が集まる「産業関連機能ゾーン」など6つのエリアに分け、 土地利用の転換を図ってきました。
該当地域はUR都市機構が事業主体となり、「湘南C-X」と称し再開発が進められ、2010年にはエリア第1号となる商業施設『Luz湘南辻堂』が誕生。その翌年には駅直結の『テラスモール湘南』がオープンします。駅前ながら2,500台の駐車場が設けらえた、湘南エリア最大級の商業施設で、延床面積17万㎡と広大な建物には約280店舗ものテナントが出店。シネコンや飲食店なども備え、その売上は当初の想定を上回る、年間500億円超え。神奈川県内のSSでは、『ラゾーナ川崎プラザ』に次ぐ規模だとか。
駅に直結する利便性の高いエリアに、計画的に商・職・住・医のバランスの取れた街がつくられた辻堂。海などの自然にも近く、子育て世帯には嬉しい環境です。さらに辻堂を語るうえで欠かせないのが交通面。前出の「まちづくり方針」でも、辻堂は「東海道都市ベルトの交通結節点としての利点や横浜湘南道路、新湘南バイパスを経由した首都圏中央連絡道との広域交通ネットワークを活かして……」と道路網の充実ぶりがいわれています。車があれば、その利便性がぐっと広がる。そんな点も支持を受ける要因です。