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子どもの発熱時の震えと熱性けいれん
生後6ヵ月から6歳くらいまで、発熱時に白目をむいて、全身が硬直したり、両手両足をガクガク動かしたりする発作を、熱性けいれんとよびます。日本人ではおおよそ1割弱の方が、1回は経験する疾患です。
この熱性けいれんは発熱して24時間以内に1回のみ発作が起こりますが、発作後は運動機能・知能低下や麻痺などの神経症状後遺症を起こさないことが判断の基準です。熱性けいれんは髄膜炎・脳炎などの中枢神経の感染症、低血糖・代謝性疾患による高アンモニア血症、脱水などによる電解質の異常などの疾患でないことで判断される、除外診断だからです。
一見、熱性けいれんと思われても、とくに休日や夜間の救急外来の現場では、発熱はあるが意識低下はない悪寒・戦慄(おかん・せんりつ)であったこともしばしばあります。熱性けいれんと悪寒・戦慄を明確に判断するためには、それぞれの特徴を把握しておく必要があります。
悪寒・戦慄(おかん・せんりつ)の特徴
悪寒・戦慄の場合、発熱にともなう震えは熱性けいれんと違い、意識消失や顔面の色調が紫となるチアノーゼがみられないことが特徴です。代わりに、手足の振れが小刻みに震えます。けいれんのようなガクガク・バンバンというような四肢の大きな動きはみられません。
また、眼球が左右どちらかに寄り目となること、呼びかけへの反応があることが鑑別のポイントです。小刻みな動きの始まりと終わりが不明確であり、比較的長く持続します。
熱性けいれんの特徴
これに対し、熱性けいれんでは意識消失を伴い、発作中は眼球が偏位し、全身にチアノーゼを認めることも多いです。呼びかけには反応しません。発作の多くは5分以内で四肢を大きく動かし、発作開始時と発作終了時が明らかにわかります。
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