日本人の老後不安の1位は「お金」、1億円以上の富裕層は? (※写真はイメージです/PIXTA)

メットライフ生命が毎年行っている「老後を変える 全国47都道府県大調査」は日本の富裕層をどう捉えたのでしょうか。日本人全体の意識と富裕層の意識には明らかな違いがあるといいます。メットライフ生命執行役員常務の稲垣裕美氏が日本の富裕層の意識をアンケート調査から分析します。

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日本人の富裕層は世界3位で366万2000人

メットライフ生命は生命保険会社として、全国47都道府県の20代から70代までの男女1万4100人の意識調査である「老後を変える 全国47都道府県大調査」を2018年から毎年行っていて今回で4回目となります。

 

今回、この調査から富裕層の分析を行った結果を紹介します。

 

日本にはいわゆる富裕層がどのくらいいるのでしょうか。富裕層の定義は種々ありますが、スイス金融大手クレディ・スイスが発表した世界の富に関する報告書「グローバル・ウェルス・レポート」の2021年版によると、純資産100万ドル(約1億1000万円)超の富裕層(成人)、いわゆるミリオネアは昨年に世界全体で5608万4000人と推計されています。国別では米国が2195万1000人で全体の39.1%を占め、次いで中国(527万9000人)、3位が日本(366万2000人)となっています。

 

当社がアンケート調査を行った全国1万4100人のうち、金融資産5千万円以上は894人で約6.3%、1億円以上は216人で約1.5%でした。調査の母数によって数字は変わるかもしれませんが、お金持ちの多い国、世界第3位の日本でも、富裕層はまだまだほんの一握りのようです。

富裕層の意識は明らかに違っている

アンケートを詳細に分析すると富裕層の意識が明らかに違っていることが明らかになりました。

 

「日本人は資産が多いほど不安が少ない」――。この一見当たり前にみえる答えですが、当社の調査対象者全体の中では老後不安のトップ3は、1位 お金、2位 健康、3位 認知症です。調査開始の2018年から2021年までの4年間、この順位は変わっていません。「健康よりお金のことが心配」だと考えるこの傾向は、コロナ禍を経験した2020年、2021年も変わらず同じ結果でした。

 

ところが、金融資産1億円以上の層の老後不安は「認知症」が60.6%でトップ、次が「自分自身の介護」(56.5%)、「健康」(53.2%)と続きます。調査全体では4年間変わっていない不安要素の不動のトップ3は、富裕層ではまったく違う結果となっているのです。

 

メットライフ生命「老後を変える全国47都道府県大調査」より。
メットライフ生命「老後を変える全国47都道府県大調査」より。

 

また、全体では老後を「不安」「やや不安」と回答した方が83.3%もいるのに対し、金融資産5000万円以上の層では52.1%となり、1億円以上の層では49.1%、と半分を切っており、不安がないと答える人の割合のほうが多く、結果が逆転しています。経済的なゆとりがあれば、老後の不安は軽減される、これが現実のようです。

 

メットライフ生命「老後を変える全国47都道府県大調査」より。
メットライフ生命「老後を変える全国47都道府県大調査」より。

 

コロナ禍での意識変化についても興味深い傾向が見られました。全体では、「老後に備えて、健康に気をつかうようになった」と「老後に備えて、 貯蓄をしようと思った」が34.4%で同率トップ。

 

一方、金融資産1億円以上の層は「老後に備えて、健康に気を使うようになった」は36.2%で同じくトップでしたが、次は「過ごしたい老後に向けて必要な知識を得るなど具体的な準備を進めようと思った」(20.5%)で、将来への前向きさがうかがえました。

富裕層の95%が考えるお金の使い方、活かし方

また、その金融資産の使い途をどう考えているのかも気になるところです。

 

調査全体では、「老後の生活費用」が最も高く67.1%、「病気になった場合の治療」(42.7%)、「旅行」(29.3%)、「趣味」(28.9%)が続きます。富裕層も順位はおおむね同じですが、全体的にスコアが10~20ポイント高くなっています。

 

そして、富裕層は全体と比べて「相続」「さらなる金融投資のため」が高く、「特に考えていない」と答えた人は5%未満にとどまります。つまり、富裕層では、お金の使い方、活かし方を95%以上の人が考えている。そして、お金の心配をせずに暮らせること(資産寿命)を延ばすことにも積極的な様子がうかがえます。

 

メットライフ生命「老後を変える全国47都道府県大調査」より。
メットライフ生命「老後を変える全国47都道府県大調査」より。

 

この調査を始めて劇的な変化が見られたことがあります。それは、若年層の資産運用実施率で、調査を始めた2018年から2021年の4年間で約2倍に伸びたことです。また、資産運用意向がある方は全体の58.5%(前年56.7%)であるのに対して、20~30代では7割以上にのぼります。

 

一方で、資産運用をどのようにしたらわからない・リスクが怖いという不安の声もよくお聞きします。そういった不安へのサポートになればと、当社では資産運用のイロハをわかりやすく解説する動画を公式ホームページに掲載するなど、私たちにできる取り組みも進めています。

「100歳の夢」富裕層は35%があると回答

子どもの頃、「勉強をしなさい」と親に言われた人は多いだろうと思います。なぜなら「将来なりたい自分になる」「夢を実現する」ために必要なことだからです。では、大人になった今、自分の人生設計を思い描く際に、自分はいったい何がしたいのか、どんな人生を送りたいのか、簡単に答えが出せる人のほうが少ないのではないでしょうか。

 

実際、当社の本調査で、「100歳まで生きるとしたらやってみたいこと、という視点で、将来実現したい夢・やってみたいこと」の有無についても聞いてみたところ、「ある」と答えた人は全体で26.7%と4人に1人という少し寂しい結果でした。これを資産別に見ると、5000万円以上の層は31.2%で、金融資産1億円以上の層は35.8%と、資産が多いほど将来の夢がある人の割合が高くなっています。

 

メットライフ生命「老後を変える全国47都道府県大調査」より。
メットライフ生命「老後を変える全国47都道府県大調査」より。

 

そして、これらの夢の実現に向け助けになることについては、全体で「経済的な準備」(64.4%)、「健康増進」(60.0%)という結果でした。1億円以上の層でも、「経済的な準備」が55.4%、「健康増進」が53.3%と、経済的な準備は高い数値になっています。

 

もしも100歳まで生きるとしたらやってみたいことは何だろう? どんな人生を送りたいのだろう? そう考えた時、はじめの一歩は資産を育てることからチャレンジしてみるのも良いかもしれません。

 

メットライフ生命「老後を変える全国47都道府県大調査」
調査概要
1. 調査対象: 全国47都道府県に在住 (調査実査時点) の20歳~79歳の男女を、各都道府県で性・年代別に各30人ずつ(60歳~79歳は合算)合計14,100人
2. 調査方法: インターネット調査
3. 調査数: 14,100人
4. 調査時期: 2021年6月18日(金)~6月21日(月)
www.metlife.co.jp/changerougo/about/cr_survey/

 

稲垣裕美
メットライフ生命
執行役員常務 チーフマーケティングオフィサー

 

 

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メットライフ生命保険株式会社
執行役員常務 チーフマーケティングオフィサー

岡山大法学部卒。ユニリーバ・ジャパン入社、2009年リージョナルカテゴリー・ヴァイスプレジデント・イーストアジア担当、三井化学などを経て20年5月から現職。

著者紹介

連載「老後を変える 全国47都道府県大調査」は富裕層をどう捉えたか

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