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2022年の新卒者が初めて1千万人を突破、過去最多へ
中国教育部、人力資源社会保障部は、2022年の大学・大学院などの卒業者数が1,076万人にのぼり、過去最多となる見通しとなると発表した。2022年は昨年より167万人増加し、初めて1,000万人を突破することになる。
近年、大学・大学院卒業の新卒者が増加する中で、若年層、新卒者を中心とした就業は、政府が抱える大きな課題となっている。例えば、国家統計局は、2020年6月時点で新卒者を中心とした20~24歳の失業率が19.3%にまで上昇したとした。
その背景には、新卒者の増加に加えて、新型コロナの影響から求人件数が減少し、面接など就職活動にも一定の制限があった点を指摘している。2021年については16~24歳までの失業率は15.4%としつつも、「そのうち20~24歳の新卒者を中心とした失業率は更に高いであろう」という表現にとどめている。
中国において生産年齢人口が減少し、労働力が低下局面にある中で、求職側の経験不足といった要因のみならず、雇用や求職におけるミスマッチも多く発生している。
教育部はこのような状況に即して通知を発出しており、そこからは新卒者の就職を何としてでも進めたい様子が見えてくる。通知では、大学側の更なるサポートやネット活用、中小企業による求人の促進を求め、企業側には新卒者採用における税金の減免策の活用を促すとした。
学生に対しては、起業の促進やデジタル化関連の新たな個人事業への就業を提起するなど、企業や組織への就職にこだわらない就業の多様化を目指そうとしている。更に、政策的な面からは、貧困農村地区における振興事業や無医村での医療業務への従事、兵役への志願なども増強するとしている。
加えて、人力資源社会保障部などは、ハイテク分野における人材不足の改善に向けて、技術者育成や技能研修に力を入れると発表している。
Z世代:IT分野への就職は2割、転職希望も3割
では、新卒者など若年層は自身の就職についてどのように考えているのであろうか。中国の人材コンサルティング会社の智聯招聘は、Z世代(主に1995年から2009年までに生まれた世代)の就職について調査結果(「Z世代職場現状与趨勢調研報告」、2021年9月発表)を発表している。
以下では調査結果を参考にしながら、Z世代の就業分布、就職にあたって重視する内容、仕事に対する考え方についてその一端を確認してみたい。
調査によると、働くZ世代における就業分布(男女別)としては、上位から男性は技術(28.1%)、販売(10.7%)、生産・加工(10.6%)となった(図表1)。一方、女性は事務職(16.1%)、財務・会計・監査(12.1%)、販売(10.2%)となっている。
特に男性は技術職が突出して多く、およそ3割に達している。技術系への就職に関しては、社会のデジタル化や、それに伴うIT人材の確保と無関係ではないであろう。図表2より、IT分野の就職者の割合を世代別でみた場合、Z世代である95後(1995年以降1999年までに生まれた人)では14.7%、00後(2000年以降生まれた人)では20.1%を占めている。
また、IT分野への転職・就職を希望する人については、10代を中心とした00後で全体のおよそ3割を超える状況にある(図表3)。