子どもが「話したいと思うタイミング」と「サイン」
②子どもは親に何でも話してくれるわけではない
学校でその日に何があったか、事細かく親に話す子どももいますが、「学校がつらい」思いを抱えている子どもは、何でも親に話すことは少ないと思っていいでしょう。親のタイミングで何とか聞き出そうとしても、自分の部屋に逃げてしまったり、だんまりを決め込んだりします。
全く話したくないわけではないのですが、彼らには、彼らが話したいと思うタイミングがあることを覚えておきましょう。
そういう時は自分から親に近づいてきたり、居間に長居したりします。このサインは決して逃さないようにしましょう。タイミングを逃すと、聞けるはずだった情報が聞けなくなるばかりか、親は自分を気に留めていないという否定的な考えを与えることにまでなってしまいます。
また、子どもはどんな大人に対しても全てを教えてくれるわけではありませんが、友人や学校の教師など、いろいろなところで話す情報を統合すると、その子どもの抱えているものが見えてくることがあります。
不登校になったときは、早めに専門医に相談しましょう。こういった情報の統合は、児童をたくさん診ている専門医が得意です。
③親はあくまでも冷静に。決して子どもを否定しない
現代の児童・生徒の親が育ってきた時代においては、「学校に行くのは当たり前」という考えが大多数でした。熱が出た時ぐらいしか学校を休ませてもらえなかった時代です。つまり、当時は「学校がつらい」のは学校を休む理由ではなかったのです。
そうした世代の親の子どもが学校に行かないとき、その親には自然とどんな考えが生まれてきてしまうか…、想像に難くないのではないでしょうか。
学校に行かせなければいけない。怠けさせてはいけない。勉強が遅れてしまう――、といった思いから、目の前にいる「学校がつらい」子どもを傷つける言葉が、口をついて出てきてしまうかもしれません。
自分の思い通りにならない子どもに対して、そんな育て方をした覚えはない、とか、お前なんて産まなければよかった、とか、子どもの存在自体を否定してしまう親もいます。