いくら貯蓄があれば十分か。その答えは人によって、家庭によってさまざま。だからこそ「まわりはどれくらい貯蓄があるのだろう」と気になるものです。総務省『家計調査』から、世間の貯蓄事情をみていきましょう。
世帯年収の中央値「643万円」の一般家庭…いくら貯蓄ある?銀行にはいくら入っている? (※写真はイメージです/PIXTA)

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年齢別貯蓄事情…30代で674万円、40代で781万円

「将来のために」「不測の事態の備えとして」など、貯蓄の重要性は誰もが感じているもの。しかし「面白いようにお金が貯まる」「貯蓄するなんて簡単」という声を聞くことはほとんどありません。多くが苦労しながら貯蓄を進めていることでしょう。

 

しかし、人に「どれくらいお金貯まった?」など聞けるはずないので、自分が頑張っているのか、それとも努力が足りないのか、判断ができません。そこで総務省『家計調査貯蓄・負債編』(2020年)から、貯蓄の状況についてみていきましょう。

 

まずは世帯主の年齢(2人以上勤労世帯)による貯蓄の差をみていきます。各年代の家族や生活スタイルの平均値は以下のとおりです。

 

「~29歳」①2.97人 ②0.94人 ③50.9% ④33.3%

「30~39歳」①3.66人 ②1.64人 ③53.9% ④65.0%

「40~49歳」①3.70人 ②1.49人 ③63.1% ④79.0%

「50~59歳」①3.16人 ②0.44人 ③60.9% ④87.2%

「60~69歳」①2.73人 ②0.10人 ③44.0% ④91.3%

 

※①家族の人数 ②18歳未満の子ども数 ③配偶者のうち女性の有業率 ④持家率

 

20代の平均世帯年収は377万円。それに対し貯蓄は377万円です。30代になると、年収は674万円に、貯蓄は750万円。40代になると年収は781万円、貯蓄は1,071万円になります。

 

そして50代。年収はピークとなり873万円。貯蓄は1,681万円。年金暮らしの人も増えてくる60代では、年収631万円と落ち込みますが、貯蓄は2,094万円と大きく増えています。

 

そのうち「預貯金」はどれくらいか、それぞれの年代の平均値をみていくと、20代で361万円、30代で722万円 。40代では1,022万円と大台を突破し、50代で1,596万円、60代で2,061万円となっています。

 

続いて投資についてはどうでしょうか。「有価証券」でみていくと、20代で23万円、30代で58万円、40代で99万円、50代で214万円、60代で285万円。年齢とともに増えていきますが、貯蓄の総額や預貯金と比べると60代でも1割強。投資でお金を殖やすよりも、「銀行や郵便局でコツコツとお金を貯める」という日本人らしさが出ています。