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コロナ禍で増加した「子どものストレス反応」の特徴
大人にとっても、子どもにとっても、社会の中で生きていくということは、喜びや楽しみがある反面、「ストレス」と付き合っていく必要があります。
ストレスがあること自体は普通のことですし、うまく付き合っていくことができれば問題ありませんが、特に子どもはまだストレスにうまく対処できないことも多く、ときにはダメージが体の不調となって現れることがあります。
コロナ禍となり、先のみえない不安や、急な休校で友達と会えなくなったり、楽しみにしていた行事が中止になったりと、日常生活においても様々な制限を受けるようになったことで、子どもたちが受けるストレスは倍増しています。
過度のストレスは子どもたちにどのような影響を与えるのでしょうか。
子どものストレス反応で出やすい症状
感受性豊かな子どもたちは、ストレスによって全身に多彩な症状が現れることがあります。
睡眠の質の低下(朝起きられない、夜眠れない)
大人もそうですが、心配事が増えると、悪い想像や怖い想像をしてしまったり、嫌なことを思いだしたりして、特に夜に寝づらくなったり、その影響で朝起きられなくなったり、ということが慢性化するようになります。
朝起きられないと学校にも行けなくなったり、頭痛やめまいがするようになったりします。一旦規則正しい生活リズムが崩れてしまうと、なかなか修正できずにどんどん悪循環に陥っていくことがあります。(※【関連記事】こどもの「朝起きられない」問題…起立性調節障害の対処法参照)
体の痛み(頭痛、腹痛、胸痛、下肢痛など)
ストレスによる負担が大きくなると、頭やおなか、胸部あるいは下肢など、体の様々な部位の痛みを訴える子どももいます。
上記の睡眠の質の低下にも関連しますが、適切な睡眠がとれていないと、頭痛を引き起こす原因にもなります。
また、交感神経が緊張し続けることによって、過敏性腸症候群の症状を引き起こし、刺しこむような腹痛(疝痛)や、下痢または便秘(あるいは両方を繰り返す)などの便通異常、おなかの張りなどの症状が出てくることもあります。
胸痛や胸が苦しいといった症状もストレスを抱えた子どもにみられる症状ですし、幼児でよく見られる成長痛といわれる下肢痛も、ストレスからくるものが多いとも言われています。
そもそも痛覚はストレスと密接に関わっていることが知られており、強いストレスがあると痛みの閾値が下がったり、痛覚過敏が起きるとも言われています。