(※写真はイメージです/PIXTA)

人は年齢にかかわらず、生きていくうえで「ストレス」との上手な付き合い方が求められます。しかし、子どもは経験の乏しさからストレスにうまく対処できず、大人と比べて体調の変化がでやすいと、小児科医の米田真紀子氏は言います。保護者が気付いてあげたい子どものストレスサインについてみていきましょう。

子どもの変化を「思春期だから」で片付けるのは危険

食欲の変化、体重の変化

 

ストレスが食欲に影響して、急にごはんを食べなくなることもあります。子どもの食欲には多少ムラがあるものですが、成長期であるにもかかわらず体重減少を伴う食欲低下や、逆に急激な体重増加を伴う食欲亢進は子どものストレスからくる症状の可能性があります。

 

食事が食べられないだけでなく、味が感じられにくくなる、ものが飲みこみにくいというような症状が現れる場合もあります。

 

チック症など行動の変化

 

ストレスを感じると体の一部分が自分の意志と関係なく動いてしまう、チック症がみられることがあります。

 

チック症の症状には様々なものがありますが、よくあるのは目をパチパチさせたり、口を大きく開けたり歪めたり、咳払いをしたり、肩をすくませるような動きをしたりというような無意識の運動を繰り返します。

 

また、爪を噛んだり、指の皮を剥いたりというような幼少期のころの癖が再び強くでてしまう場合もありますし、時にはおしっこが異常に近くなる「心因性頻尿」という状態になったり、一旦治っていた”おねしょ”が再発することもあります。

 

情緒の変化

 

思春期に入ってくると成長の正常な過程として、情緒の変化が起こるようになりますが、ストレス反応でも、情緒が不安定になることが多くあります。

 

イライラして怒りっぽくなったり、落ち込んだり突然泣き出したり、逆にハイテンションで落ち着きがなくなったり、集中力がなくなったりなど、様々な変化が起こることがあります。

子どもが発するSOS…そのとき保護者ができること

こうしたすべての症状がストレスからくるものとすぐに判断できるものではありませんが、普段接している家族だからこそ変化に気づけるものもあるので、子どものSOSを見逃さないように、見守ってあげたいですね。

 

また、ストレスの原因探しも必要かもしれませんが、なかなかすぐに解決できることはありません。親としてはストレスの原因究明と解決を急ぎたくなるものですが、まずは体からSOSの症状が出ている子どもの気持ちをしっかりと受け止めてあげることが重要です。

 

さらに、子どもがストレスを感じているとき、親も同様に大きなストレスを抱えて余裕がなくなっていたり、イライラしているケースもよく見受けられます。

 

子どもは大人の心理状態に非常に影響を受けやすいので、まずは大人がリラックスしておおらかに過ごせるように、普段からセルフケアを行うことがとても大切です。

 

 

米田 真紀子

小児科医

医療法人 啓信会きづ川クリニック

 

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